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8話 終わり
しおりを挟むドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ
「おーい、健。」
「あぁ、相斗か。」
あれから、1ヶ月の時が経った。
「本当にここ1ヶ月は寝てもいないし、ご飯も食べていない。すごい不思議な感覚だ。」
「俺もだ。1ヶ月24時間ずっと岩を殴り続けるなど、一生できない経験だ。」
「そういえば、最初よりは顔は死んでないみたいだね。」
「まあ、慣れれば簡単よ。むしろ、殴り続けることに楽しさすらも覚え始めたよ。1ヶ月どころか体感は3日くらいだ。」
「それはそれは、残りの20年近くも頑張れそうだ。」
「それは言わないでくれ。」
「Lvはいくつになった?」
「僕はLvが183になったよ。」
「俺はLvが259だ。」
「段々と差がつき始めたな。」
「そりゃそうだよ。僕は健と違って24時間訓練し続けているわけじゃないからね。」
「それにしても、ここも人がいなくなったな。」
1ヶ月前には騒がしかったここにも人っ子一人いなくなった。
「僕ら以外の最後の一人も2日前に扉を開けて、あっちの世界に行っちゃったしね。」
ピコン
"Lvが上がりました。"
"特典として"強運"のスキルを獲得しました。"
「やったぁぁぁ!!!」
「どうしたのさ急に.....うるさいよ.....」
「"強運"が手に入ったんだよ。」
「おぉ、それは未来が見えてきたね。」
「じゃあ、次も1週間後にね。」
「あぁ。」
┈┈┈┈┈22年後┈┈┈┈┈
ドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッドンッ..............................
「終わった.....のか..........」
"オートムーブのスキルLvがMAXになりました。"
「終わった..........」
健は22年振りに身体を動かした。毎日、動かし続けた身体だが、こうして自分で動かすのは22年振りである。
健は歩くことを忘れており、初めの10歩20歩はよたよたと歩いた。
次第に感覚も戻ってきて、普通に歩けるようになり、相斗の元へと向かった。
タッタッタッタ
「相斗.....」
「終わったんだね.....」
相斗は弓を引きながら、健の方を見ることなくそう答えた。
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