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1話 竹林 健

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 俺の名前は竹林たけばやし たける。高校三年生の17歳である。

 
 高校の偏差値は70くらいて頭はそこそこにいい。格闘技も10年ほどかじっていて、俗に言う"文武両道"というやつである。


 そんな俺はかなりのなのである。


 と言っても、夏に起こる暑さでの病気ではない。

 "熱中してしまったものはとことんやり続けてしまう"という病を発症している。


 俺が格闘技を始めたのも当時やっていたギャングファイターズというゲームに出てきたレンというキャラクターに憧れて始めたのである。


 そこから、格闘技という奥深いスポーツにハマってしまい、出来るものは全てやった。

 ボクシングから始まり、ムエタイにカポエラ、システマ、中国武術、空手や柔道など。

 できる限りの格闘技を全て体得した。


 あいにく、うちの両親から受け継いだ才に溢れた運動神経があったため、自分のしたい動きというのは寸分の狂いもなく再現出来た。


 こうして、格闘技にハマった俺は毎日のロードワークも筋力トレーニングも欠かさず行っていた。


 こんな"熱中症"の俺には最近、熱中するものを見つけてしまったのである。

 それが、"RPG"である。

 キャラメイクやキャラ育成などのやり込み要素が俺をこの世界へと引き込んだ。

 並行して5個のゲームを今は毎日6時間ほどやっている。

 ロードワークやなんやらでやれる時間が深夜と限られているのだが、ショートスリーパーで2時間しか寝なくてもいい俺は朝の5時までゲームに費やしている。


 自分の熱中症にも大概だと思っているのだが、止められないものは仕方ない。


 そんな、RPGにハマっていつものように深夜にプレイをしている時の出来事だった。



「なんだこれ。運営からメールが届いてるな。」 


 運営からメールが届いていた。


 このゲームは滅多なことがないと運営から連絡が来ないで有名なほどだ。


 かく言う俺もこのゲームを始めてから一度も運営からのメールが来たことがないのだ。


 不安と期待を胸に込めて俺はそのメールを見た。



"あなたは命をかけてでも世界を救いたいですか?"



 そのメールにはこの一言だけが書かれていた。



「なんだこれ。まあ、男ならの一択だろう。」


 健はなんの躊躇もなく、はい という選択肢をクリックした。



「はぁ、なんだか急に眠くなってきたな。」



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




「はぁ、朝か。ゲームをしていたら気づいたら寝てしまっていたのか。普段ならこんなことは無いのにな。疲れていたのだろう。」


 健は目を開けた。



「どこだ.....ここは.....」


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