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1章 西の大陸

19話 ギシ王国

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~西の大陸に行くため空を移動中~


「それにしても、ルイはかなりの格闘経験があるの?めちゃくちゃ強かったけど。」

「まあ、昔に村にくる魔物を退治してたくらいだよ。」

「なるほどね、経験はあるわけね。」

「そういうレンはどうなんだ?」

「僕もそこそこだよ。実戦はなかったけど、騎士団とかとはやり合ってたしね。」

「それで俺は南の大陸について知らないんだけど、南の大陸にはすんなりいけそうなのか?」


 南の大陸には主力の国が4つあり、東に「ギシ王国」、西に「レンブラント王国」、南に「シュトルム連邦国家」、北に「統一派連合国」がある。中でも危険な国はシュトルム連邦国家と統一派連合国の2国である。


「で、運がいいことに9番目のダンジョンはギシ王国にあるってわけだから大丈夫。それにここからの位置なら、最初に入国する国はギシ王国だから。」

「なるほどね、それなら安全そう。というか統一派連合国っていかにもって名前……。」

「統一派はかなりやばいとこって聞くよ。世界を平等にしたいと言いつつ、してることは世界を白紙に戻すこと。つまり、統一派以外を滅ぼそうとしてるってこと。」


 統一派とシュトルムは仲が悪く、他国からの者が現在は入れる余地がないほどに荒れているという。


「とりあえず、着くまでは僕とルイのスキルとかについて擦り合わせて、作戦考えとくか。」

「そうしよう。」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


~ギシ王国 門前~


「身分証の提示を。」


サッ


「これは、ダンジョンギルドのS級のギルド員でしたか。どうぞ。」


 出したのはシドから貰ったS級のライセンスだった。


「ほんとそれ万能なんだね。」

「そうだね。シドさんはこれはかなり使えるって言ってたからな。」


 2人は楽々とシド王国へと入国できた。

「ほんとに多種族国家なんだね。獣と人のハーフの獣人族に長寿で長い耳が特徴のエルフ族」

「それに、タンクのような体型で創造に長けてるドワーフ族、スキル「魔法適正」を有する上位魔族と人のハーフの魔人族もいる。」

「まるで種族のバーゲンセールだよ。」


 2人は目の前に広がる多種族が入り乱れる世界に感動していた。



「9番目のダンジョンまではあと少しだね。とりあえず、今日はここで一泊する?」

「そうだな、俺もこの国を少し見たいし、ここで少しいてもいいかもな。」


「(9番目のダンジョンにいくのかこの2人。)」



 この時、2人は1人の少女に目をつけられていることを知る由もなかった。


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