ユニークスキル「ダンジョンショートカット」が無敵すぎる件について

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序章

12話 レンの過去

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「まあ、この他にも話すことはあるが、ここで全てをばらすのはつまらないだろう?だから、自分の目や耳で確かめるといいさ。」

「うん、そうする。」

「じゃ、君たちを外に出すね。それと、ここから先のダンジョンは今みたいに簡単にはつかないと思うよ。あと、ルイ。隣の男には気をつけな。」


パチン


 そう言い残して指を鳴らすと2人は元いた洞穴へ転移した。


「ルイ、警戒しないでくれよ。使徒様の言ったこととはいえ、僕から悪意は感じないだろ?」

「まあ、鼻からレンのことは信用してないよ。」


 タイムの一言によってルイとレンの間にはとてつもなくバチバチした空気が流れていた。


「酷いこと言うね。それで、次はどこに行くんだい?」

「………。」

「無視って酷くない?」

「………。」

「あーあ、わかったよ。ルイ、ちょっと大事な話があるんだ……聞いてくれるかい……。」


 神妙そうなレンの話をルイは聞くことにした。

 森の中で2人で座って話を始めた。


「実は僕はギダ王国ってところの第2王子なんだ。僕が13歳の時に国王だった祖父がなくなり、僕の父が王を継いだ。それが悲劇の始まりさ。」


 ギダ王国は南の大陸に位置する国で南の大陸では一番の強国であった。

 しかし、それは先代であるジル・ギダ・ポルニコフの時であり、現国王であるギル・ギダ・ポルニコフに移ってから、かなりの独裁政治へと変わり、貧困が加速しているという。


「僕は今は16歳で兄は17歳だ。そして、兄が21歳になると王位が継承される予定だ。そして、兄は父のやり方に肯定的だ。だから、僕が愛したギダ王国を取り返すためにダンジョンで手に入れた神器を使いを起こすんだ。」


 レンは16歳という若い歳とは思えないほどの苦悩や葛藤に押しつぶされそうになっていた。


「僕は王族で特殊なスキルが手に入りやすい遺伝子で通常のスキルが5つにユニークスキルは2つある。それに、34番目のダンジョンをクリアしたから神器も一つ持ってる。だけど、この力だけじゃ全然ダメなんだ。少なくともオリジナルを5つはなきゃ、あの国は変えられない。」


 レンはいつも軽そうで薄っぺらそうな面影はなく、一国の王子としての怒りや責任感をあらわにした。


「俺は兄弟の力を持った神器、オリジナルを手に入れるために国を出た。そして、旅をしている途中で出会ったのが君だったんだ。若くして、祖父のような真っ直ぐさと王へとなれるほどの覇気を感じたんだ。そして、今に至るというわけだよ。」

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