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序章
10話 神器"メグニス"
しおりを挟む「クソ猫ってラッキのこと?」
「あぁ、そうさ。半年に一度行われる使徒会合で君の話を何度も聞かされたよ。「面白い人間がいるんだ」ってね。そして面白い能力を持ってるとも言っていたよ。」
片眼鏡で懐中時計を持ったウサギの口調はとても知的だが、少し陰湿な感じの喋りだった。
「そうだ、自己紹介を忘れていたよ。私はタイムだ。7番目の使徒だ。」
「俺はルイだ、よろしく。」
「あぁ、よろしく。やつの時もそうだったと思うが、君はこのダンジョンをクリアした。だから、渡すものがある。」
そう言ってタイムはルイに手をかざした。
シュワン
ルイの手の上にはタイムが持っていた物に似ている懐中時計が置いてあった。
「その懐中時計"メグニス"のユニークスキルは「時が止まりし世界」と言って、半径5m以内の全ての物の時間を3秒止められるというスキルだよ。そして、君に直接あげたユニークスキルは「時の支配者」だ。能力に応じて、触れたものの時間を過去に戻したり、未来へ飛ばしたりできる。」
「時を操るスキル……めちゃくちゃかっこいいな…。というか、このダンジョンで手に入るアイテムって効果あるんだな。初めて知ったよ。」
ルイはタイムからもらった懐中時計メグニスに感動しながらも、ラッキからもらった指輪への疑問が出た。
「あぁ、君は聞いていないのか。あいつはがさつなやつだからな。使徒からもらえるアイテムは全て神の力が宿った『神器』だ。その全てに特殊な力が宿っている。」
「やっぱり、そうなのか。じゃあ、これはどんな力があるんだろう。」
「35番目の神器は"オンリー"と呼ばれるものだ。ユニークスキルは「世界に一つ」だ。名前こそダサいが、能力は圧倒的だ。その場に応じたユニークスキルを創造するというユニークスキルだ。」
「この指輪ってそんなすごかったんだ……なのにラッキは全然教えてくれなかった……。」
ルイはオンリーのすごさを知ったと同時にラッキへの信頼が信頼のなさも知った。
ドンッ
「あぁ、やっと来れたよ。1回、転移するともう1回するのにクールタイムがかかるとはね。おっ、これは使徒様じゃないですか。」
レンがやっとダンジョンへと来た。
「ふむ、君もなかなかにやるみたいだ。その神器を持ってるってことは大したもんだよ。」
タイムはレンを見てそう言った。
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