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3話 アレリク
しおりを挟む「導師リク様!!!!」
「師匠!!!!」
「英雄リク様!!!!」
旅をして50年ほどが経ち、俺は100歳になった。もちろん【不老不死】のおかげで老いず、20代くらいの身体で肉体は最大のポテンシャルを保っている。
そして、俺は旅をしていくうちにたくさんの弟子ができた。というより、勝手に弟子になってきたものが多かった。
「導師様のお弟子というのはどれくらいいるのですか?」
ここはエルフの街で俺がドラゴンを退治したらエルフから何故か慕われた。
ドラゴン肉を食べたかっただけなんだが、もてなすと言われたからもたなされておこう。
「正式には分からないが、俺が指導したやつらは200人くらいじゃないか。」
「そんなに沢山おられるのですね!」
そう、今回のように何故か俺は自分の食料を手に入れようとすると、どこかの危機を防いでしまい、慕われた弟子が増えていくという状況だった。
「差し出がましいようですが、導師様にお願いがあるのです。私を直属の弟子として長い間、稽古をつけてはもらえないでしょうか!!!!」
この子の名前はヤ・アル・ティン・アルナ・シュルデントと言って、このエルフの街で1番強い戦士である。
ちなみにエルフの名前は長いから俺はアルナと呼んでいる。
「うん、まあいいよ。」
アルナの才能は目を見張るものがあった。ユニークスキルも6つもっていたし、冒険者でいうとSランクほどの腕は既にあった。
俺もそろそろ世界を見尽くしたし、娯楽を見つけようと思っていたから、本格的な指導もいいのではないかと思い、そうすることにした。
「ってお前ら、いつ盗み聞きしたんだよ。」
「師匠から直々に稽古してもらえるんだぜ、この機会を逃す訳にはいかないだろ!」
「英雄様からの指導、私も受けさせていただきたいです。」
俺が昔買った山奥の家の前に昔指導した弟子たち20人ほどがどこからか俺が指導するということを聞きつけて集まっていた。
しかし、それは逆に都合が良かった。全員をトーナメント戦などにすることによって、俺は少し楽ができるということが分かった。
そして彼らも順調に育ち、教えることが無くなった者たちは世にだしていった。
気がつけば50年の時が過ぎていた。
「アルナ様の紹介で来させていただきました。」
なんで50年もかかったかと言われたら、弟子がさらに弟子を連れてきやがったため、俺に休む暇を与えてはくれなかった。
しかし、俺はもう指導することはやめた。というより休止した。端的に言えば飽きたのだ。
「リクくん、来てくれたんだねありがとう。」
「アレク、もう喋るな。というかお前は生きすぎだよ。」
「ははっ、リクくんらしいね。」
パタッ
アレクは亡くなった。やつはやはり超人だった、普通の人間にもかかわらず約170歳まで生きたのだから……。あいつは皇帝という2つ名に名前負けしない強い男だった。
俺はあいつの意志を継ぐかのように国を創った。
アレクはこの世から貧富の差が無くなった世界を見てみたいと常々言っていたから。
最初は小国の王から国を買取、運営を始めた。
だてに150年生きていない、ありとあらゆる人脈を作りたった3年で世界で1番の強国となった。
「ジバのじいさん、俺はアレクの意志を汲んでやれただろうか。」
「リク様、あなたはアレク様の1番の恩人であり親友です。彼も満足しているでしょう。」
「そうだといいな…………。」
俺はほとんどの国を自分の国「アレリク」と合併させ、栄えさせ、国民の生活水準がとても高い国を作った。
ジバは今は既に300歳近い。あいつは恐らく人間では無いのだろう…………。
これからの人生の方向性が分からなくなっていた時期だが、あるきっかけで俺は趣味にどっぷりとハマった。
ものづくりや研究、ありとあらゆるものに手を出した。
ほとんどの人生を趣味に費やしたと言っても過言ではないだろう。
趣味を100年くらい続けていたら、ジバが亡くなった。
400歳位まで生きている方がおかしいのである。俺は悲しかったが、どこか普通(?)の人間だったのだと安心した。
俺はここからずっと趣味に没頭した。
スキルの研究や武器の作製、色んな事に手を出した。
学生の頃は気づかなかった勉学の楽しみというのを300歳頃になって気づくとは思わなかった。
「リク様、これは世界を変える研究ですね……。」
俺は全スキルの取得条件を解明し、ユニークスキルの遺伝率などを今は研究している。
「ユニークスキルの発現率はおよそ0.002%だが、2つ目からは1つにつきおよそ0.0001%の減少で発現する。」
簡単に言うとユニークスキルを1つもって産まれてくる確率は0.002%だが、2つは0.0019%、3つは0.0018%ということである。
「ユニークスキルの最大数は19個ってこともわかったのはとても素晴らしい快挙です。」
「だが、19個なんて見たことないな。俺が見たことあるのは12個と10個のやつくらいだよ。」
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