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1 記念日
しおりを挟む私はリナ=ジェスタール、22歳。男爵家に産まれた長女で3年前に政略結婚をさせられ、私の夫なったのが、この腹黒な公爵家の次男のギルドラード=シュバルツ。
今日こそは私は夫のギルをギャフンと言わせたい。
今日は2人で窓から日が入り、風が外の花の香りを運んでくる彼の事務室で彼と向かい合いお茶をしている。
「ギル、今日はなんの日か知っていますか?」
「さて、なんの日でしたっけ?」
そう、彼は忘れているけれど今日は「初夜」から1年が経った日。いつも私に意地悪する彼に今日は私が意地悪をする番。
私は彼の隣へと移動した。
「1年前の今日、私があなたの魅力を身体中で感じた日ですわ♡」
彼の服を着たままでは分かりにくい、男らしい筋肉のついた上半身を触りながら、私は彼に迫った。
「………。」
どうやら反応がない。
私は彼から普段、意地悪され、女性としての魅力をあまり見てもらえないから、こうやって女性らしいところを見せた今、少し反応に困っているんじゃないかしら。
「そうでしたっけ、あれから1年も経ちましたか。」
「えぇ、そうですわ……あの熱い夜から1年も経ちましたわ♡」
思ったよりも反応が薄かったので、つい彼の立派な所へと手を動かしながら言ってしまった。
「リナ、ど、どうしたんですか?今日は何やら様子がおかしいですよ??」
どうやら、かなり同様しているみたい。でも、こんなんじゃまだダメ。今日こそ彼の赤面してる姿を拝ませてもらいます。
「なんか、身体が熱くなって来ちゃいました。ギル、ベットに…移動しませんか……。」
この言葉を言った次の瞬間から私の記憶は曖昧になった。
「んっ///……ギル、ちょっ///」
「リナ、あの日も私はこうやって半ば強引に唇を奪いましたね。」
まずい、彼のこの笑顔の奥にある私を堕ちさせようとしてる表情は。
「あの日の夜みたいに今日の夜も誰にも見せない可愛い顔を僕にみせてくれるんですか♡」
「んぅぅ///…覚えてたんですか…」
「あの気持ちいい時にする可愛い顔を初めて見た夜ですよ?忘れるわけありませんよ♡」
私は彼をギャフンと言わせたい。
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