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1話 4人の天才

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 日本では同じ日に4人の天才が産まれた日があった。


 そして、そのちょうど18年後に4人の天才は自ら命を絶った。



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈





「こんばんは、僕は神様。君たち生命を創った偉い神様なんだ。」


「誰ですか?」

「しらん。」

「私も知りません。」

「俺も知らないな。」



「君たちのような最高傑作をこのまま簡単に破棄するわけにはいかないってことで異世界で人生の続きを歩んでもらいまーす。」

「どういうことですの?」

「いやさぁ、こっちが聞きたいんだけど。君たちを創るときはいわゆる天才仕様にして創ったんだけど、みんながみんなたった19年で、しかも自殺ってそりゃないでしょ?一人の性格や能力を設定するのに12時間もかかったってのにさ。」

「ちょっとまってくださる?本当にあなたは神様なんですか?よく言っていることがわからないですわ。」

絵空えそら 撫子なでこ。水墨画、現代アート、カリカチュア、ジャンルを問わず描かれる全ての作品がオークションでは億超。黒髪ロングでまさに大和撫子。」

「おうおう、あんたがなで助か!!あんたの作品は最高にホットだぜ!!」

爆音 ばくおん そうる。HIPHOP界での超天才問題児。アフリカの血を引くクォーターで世界ツアーでの総動員数が驚愕の3億人。人の心を動かす歌詞で世界を動かした。」

「君がそうる君かい!いやぁ、作業中に君の音楽を聞かせてもらってるよ!!会えて光栄だ。」

繊細せんさい たくみ。世界最高峰の彫刻技術の最後の伝承者。彼の創った作品の周りには動物が溢れ、そこが憩いの地となっている。だが、名前を掘らないことから皆からは名無しの大天才"ルーク"と呼ばれている。語源は適当にネットの誰かが名ずけたところからきてるよ。」

「え、もしかしてルークさん本人?!?!」

「あ、そうだよ。一応、俺のことをそう呼ぶ人もいるね。」

「えぇぇぇ!!めちゃめちゃファンです!」

阿仁あに めぐみ。彼女は世界で一番の漫画家。出す作品全てがヒット作品に。単行本はなんと100ヶ国語で翻訳され、450億部が売れて未だに刷り続けている大売れ漫画家。」

「私、恵様の漫画全作品見てます!!!」

「恵様なんてやめてよぉ。」




「とまあ、こんな感じで君たちは紛うことなき天才たちだ。それなのに、なんで死んだんだい?」

「簡単に申し上げますと」

「そんなのはあれだ」

「それはですねぇ」

「それはねぇ」


「"世界がつまらなかったから"」


「ですよ」

「だな」

「ですかね」

「だよだよ」



 そう、彼らは4人全員が世界へと興味をなくしていたのだ。


「はぁ、これだからアーティストってのは嫌なんだよ。インスピレーションとが知らないよぉ!!」

「まあ、なんだ神様よぉ。俺ら何かを命かけて創ってるやつらってのは刺激を感じなくなったらその時点で死んでるも同然なんだよ。」

「そうる君の言う通りです。もう作れなくなっちゃったんですよ。」

「そうだねぇ、私もそんな感じかな。ビビビッ、バババッってのがもう来なくなっちゃったんだよ。」

「私もそんな感じですかね。」



「はぁ、まあいいや。じゃあ、君たちには新しい世界でも頑張ってもらうから、これから新しい世界の説明をするね?」

「だから、聞いてたのかって!!」

「うん、聞いてたよ。世界から刺激を感じることが出来なくて、自分の思うものが作れなくてそれなら死んでもいいやってことでしょ?」

「まぁ、そうだな。」

「僕は神様。君たちよりもすごいもの作ってんだよ?そんな、僕が創った完全ファンタジーに振った世界を君たちに見せてあげるよ。」

「ファンタジーに振った世界と言いますと、魔法とかそういう非科学的なものがあるとでも?」

「そうだね、あるよ。」

「魔法.......行っきたぁぁぁぁい!!」

「めぐ助は乗り気じゃねぇか。まあ、俺も書ける*リリックはリアルだけだからな。新しい世界楽しそうじゃねぇか。」


*歌詞のこと


「俺も俺のことを知っている人がいない世界なら行ってみたいかなぁ。」

「私も風景画を描いてみたいですわ。」


「さすがは芸術家たちだね。じゃあ、決定!異世界行ってみよう!!」
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