上 下
2 / 5

2話 語り人

しおりを挟む



「なるほどのぉ、レオはでありながらもだったのじゃな。それに、話を聞く限り共鳴率もかなり高いのじゃろう。」


 語り人とは、前世の人の記憶が語り継がれるかのように頭の中に入ってくることから由来している。前世との性格が一致していればしているほど、共鳴率が高くなり、まるで自分が過ごしたことのあるかのように記憶が鮮明に残る。



「つまり、【課金】というのは、そのとやらで行われていた行為でお金を使うことによって、操作している人物を強化など出来るということじゃな?」

「はい。」

「ということはお金を使えばお主の能力が上がるということなのじゃろう。」



 そういってギギルギダは棚からお金を持ってきて、レオに渡した。



「ほれ、使ってみよ。」

「わかりました。」


 レオはお金を手にした。そして、当たり前のように頭の中で唱えた。


「(体力、速度上昇。)」


 そう唱えるとレオの手からお金が消えた。



「ほぉ、これは本当にスキルが発動しておるのぉ!!!」


 ギギルギダは興奮していた。


「これは、どうやったのじゃ!!」


 こうして、ギギルギダはレオと夜になるまで研究をし続けていた。というより、ギギルギダの好奇心にレオは付き合わされていた。




「なるほどのぉ。能力値の上がり幅には法則があったのじゃな。10までは1上がるのに500リコル、11~20までは800リコル、レベルを上げるためには1レベル事に1.3倍されるということかのぉ。」



 ギギルギダのスキルは【心眼】といって、みた相手の情報を見ることが出来、能力値を数値化させ、具体的に相手の情報を知ることが出来るというスキルだ。

 このスキルは準神じゅんしん恩恵の1つとされており、神が直々に作った世の理に近づくためのスキルと言われている程に珍しく強力なスキルである。



「今のレオの能力はこんなもんじゃ。」



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

Lv.19

体力:101
攻撃:51 
防御:51
速度:71
運    :41


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「15歳の平均能力は運以外は30程度で運なら20程度じゃな。つまりは主はかなり強い。言うなれば20代前半くらいの強さはもっている。レベルに関しても平均レベルは年齢の数とされているから、言わば神童と呼ばれるほどじゃな。」


 ギギルギダはレオの研究をするためにかなりのお金を使い、レオのレベルや能力値を上げた。その数トータルにして200程である。

 単純計算で家に来た時より倍以上は強くなっているということだ。



「さすがにやりすぎたかのぉ。」

「ギギルギダさん、いつか今日使っていただいたお金は返します!本当にありがとうございました!!」

「わしは好きに研究をしたまでじゃ。礼を言われる筋合いはないのぉ。もう暗い、早く帰るのじゃ。」


 レオは家を出た時よりも遥かに希望を持った顔で家へと帰った。


「父さん、母さん、ただいま!!!」

「あんた!こんな時間まで何やってたの!!」


 ミヤにきつく怒られた。



「母さん!俺、勇者になるよ!!」


 レオは今日起こったことを全て2人に話した。



「なるほど、それはギギルギダさんには後でお礼に行かなきゃな。」

「そうね、それはちゃんと行きましょ。それにしてもこの子にそんな力があったなんて……。」

「レオ、本当に勇者を目指すんだな?」

「うん!!」

「それなら…………」




 ギルはレオに次世代の勇者を育成するための学校への入学を勧めた。



「話を聞くにお前はもう同世代よりは強くなっている。それにまだ強くなれるだろう。そのためにはしっかりと学んで真っ当に勇者を目指せ!」

「わかったよ。」



 とは言ったものの学校に行くには入学費やら授業料、レオの個別の生活費などで大変だった。

 しかし、ギルには唯一のコネがあった。



「なるほど、あのアンノウンのレオくんのスキルが分かったということですか。それにしても、かなりお金がかかる力ですね。ふふっ。」

「それで、あいつは入れそうか?」

「任せてください。その話が本当ならば私が推薦して特待生として迎え入れましょう。」

「それは助かる……。」



 レオは後日、父から「入学できる」という事だけを聞いて、入学の日までギギルギダの所へと足を運んでいた。




「なるほどのぉ、勇者育成学校か。確かにあそこに行けば強くなれそうじゃな。」

「今のうちにやっておくことは何かありませんかね?」

「とりあえず在学中は臨時の登録をしておくといいじゃろうな。」

「傭兵登録?」



 傭兵登録とは、傭兵として登録する傭兵登録機関に登録しておくことによって、常に仕える必要はなく、依頼を選び自らの好きな依頼を受け兵士として参加することのできる制度である。



「あぁ、あそこでを積んでおくのがいいじゃろう。」

「わかりました!」








しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

チュートリアル場所でLv9999になっちゃいました。

ss
ファンタジー
これは、ひょんなことから異世界へと飛ばされた青年の物語である。 高校三年生の竹林 健(たけばやし たける)を含めた地球人100名がなんらかの力により異世界で過ごすことを要求される。 そんな中、安全地帯と呼ばれている最初のリスポーン地点の「チュートリアル場所」で主人公 健はあるスキルによりレベルがMAXまで到達した。 そして、チュートリアル場所で出会った一人の青年 相斗と一緒に異世界へと身を乗り出す。 弱体した異世界を救うために二人は立ち上がる。 ※基本的には毎日7時投稿です。作者は気まぐれなのであくまで目安くらいに思ってください。設定はかなりガバガバしようですので、暖かい目で見てくれたら嬉しいです。 ※コメントはあんまり見れないかもしれません。ランキングが上がっていたら、報告していただいたら嬉しいです。 Hotランキング 1位 ファンタジーランキング 1位 人気ランキング 2位 100000Pt達成!!

異世界でネットショッピングをして商いをしました。

ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。 それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。 これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ) よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m hotランキング23位(18日11時時点) 本当にありがとうございます 誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される

こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる 初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。 なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています こちらの作品も宜しければお願いします [イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...