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ホビットエルフ編
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しおりを挟むアルマッド領に帰ってきたアキラは今回のことをキースに話した。
「そうですか、エルフとの取引をするのですか。でしたら、やはりアキラ殿も時期ですかね.....。」
「なんのですか?」
「商会を創る時期ですよ。商会を創ってより商売に貪欲になるのです。もちろん、経営のプロを私どものところから派遣させますよ。」
「なんか、俺って結構キースさんにいいようにやられてませんか?」
「ほっほっほ、まあそうですね。ですが、これはアキラ殿のためですよ。私には数年前に事故でなくなった息子がいて、どことなくアキラ殿に似ているのですよ。だから、どうしても放っておけないんですよ。」
キースは少し寂しそうにしながらも優しい柔らかい顔でそう言った。
「そうなんですか.....。」
アキラはなんも言えなかった。
こうして、アキラは商会を創ることとなった。
「アキラさん、すごいですね!商会を創るなんて!」
「いやぁ、俺も実はあんまり分かってないんだよ。一応、俺の名義で作るらしいけど経営者も俺じゃないし名前だけだよ。」
アキラはキースの言うままに商会を立ち上げ、店舗を1週間で10店舗を用意した。
「ジュエリーに武具、食品に洋服。それにエルフの名産品専門店。1週間でこんなジャンルの店が.........。」
「いやぁ、さすがの私も骨が折れましたね。しかし、アキラ殿の用意できる商品を細分化するとここまでになるなんて。久々に商人をしましたよ。ほっほっほ。」
「(十分、あなたは商人ですよ。)」
と心の中でアキラは呟いた。
「これで出来ましたねアキラ商会。明日から全店舗を稼働させますので、アキラ殿の仕事は使いのものがよこした発注リストの商品を補充することだけです。恐らく、1週間に1度行えばいいでしょうね。」
「俺、かなり楽してませんか?」
「本当のお金持ちというのはそういうものです。代わりが居るならお金を払ってやらせるべきです。自分にしかできない仕事しかしないのが一人前の商人です。」
こうして、もとからあった「したっけ」と新たに開く10店舗が一斉にセールなどを打ち出した。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「キースよ、この報告書は全てまことか?」
「はい、アルマッド様。全て本当でございます。」
「"アキラ商会の売上が1ヶ月で約白金貨230枚"。サポートしてやれとは言ったもののこれはいくらなんでもやりすぎだ。」
「ほっほっほ。勘違いをされては困りますよアルマッド様。私の手腕でもたかだか白金貨100枚程度です。残りはアキラ殿の成果ですよ。」
「それはどういう事だ?」
「説明は出来ないのですがまるで"商売の神様に愛されている"かのような事が起こったのでございます。」
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