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しおりを挟む「月に銀貨20枚を出すよ。」
「どうしてそこまでしてくれるんですか?」
最年長のベンは好条件すぎてかなり疑っていた。
「それは能力があるからだよ。それ以外に理由があるかな?」
「条件があります。自分の報酬は銀貨1枚でいいので、ここにいるヤツらも全員雇ってください。報酬は俺と一緒でいいです。」
「ダメだよ。」
「なんでですか!出すお金の数は変わらないじゃないですか!」
「俺は君たちに施しをしようとも同情しようとも思ってない。君たちを1人の人間としてみた。その上で3人がうちの店に必要と感じたんだ。それに雇うことは出来ないが給料の銀貨をベンが分けてやれば解決する話じゃないか?」
ベンは知っていた。同情の視線を受けることの辛さを。だから、アキラへ雇ってくれという案を出して、対価として他の子たちに銀貨を与えられたらそれが一番だと。
だが、それはベンが他の子たちを同情をするという自分がされたくないことをしてしまっていたのであった。
ポロポロ
「ちくしょー!バカか俺は!!」
ベンは涙をこぼしながら自分のした事を悔いた。
「わかりました、アキラさん。俺はここで働きます。」
「私も働かせてください!」
「僕も一生懸命やるので働かせてください!」
3人ともアキラの店で働く意思を見せた。
「それで、本当に失礼なお願いですがお金を貸してください!」
ドンッ
ベンはアキラへと土下座をした。
「いくら必要なの?」
「金貨10枚お願いします。」
「いいよ。」
アキラは即答した。
「本当にいいんですか......」
ベンは自ら頼んだが、アキラの即答に驚きを隠せなかった。
「なんで、なんでこんな俺に貸してくれるんですか!」
「うーん、大切な従業員だからかな。それにベンは頭がいい。考え無しなんじゃないんだろ?」
自分と歳の近いベンにアキラは親近感が湧き、そしてかなりの信頼をこの短い時間でしていたのである。
この瞬間、ベンは心に誓った。
「俺はこの人に一生を捧げよう。」
「本当にありがとうございます!!」
この後、ベンにお金の使い道を聞くと「子どもたちが暮らせる家を借りたい。」との事だっので、この店を借りた不動産屋へと一緒にいくと、少しボロいが子どもたちが50人ほど住める家が銀貨10枚と破格の値段で売られていた。
しかし、相当ボロいらしくもはやリフォームが必要な程だった。
だが、アキラは即金でそれを買うことに決めた。
その理由は先日「ネットショッピング」で追加された新商品の「簡単大工セット」と「木材」、「ペンキ」などの家を建てるためのセットを購入していたからだ。
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