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ゴクリッ

 アキラは唾を飲み込み、覚悟を決めた。



「はぁはぁ、うう.......。」


  物音がしたところから、男の苦しそうな声な聞こえた。

 アキラはこっそりと聞こえてきた方向を覗いた。
 
 すると、そこには1人の若い青年が倒れていた。



「大丈夫か!!」

 近寄り、アキラは青年に声をかけた。


「ゴホッ!」

「(身体を見る感じ、木の上から落ちたのか)」


 青年の身体には葉っぱや枝がついており、擦り傷などもあった。

「こりゃあ、折れているかもな。」

 呼吸のしにくさを見て、もしかしたら折れているのではないかとアキラは推測した。



「(購入)」



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈




 10000円



┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



 アキラの目に万能薬というのがぱっとはいった。



「(購入、万能薬)」


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


 万能薬を購入しました。ストレージへと万能薬を入れました。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



「(万能薬を取り出す)」


パッ

 
 万能薬がアキラの手元へに現れた。



「高かったんだから効いてくれよ!!」


 アキラは青年に瓶に入っている万能薬を飲ませた。




「はっ、はっ、はっ」

「よし、呼吸が安定した。」

「ん......。」

「お!意識が戻ったか!」

「あ、あなたは?」

「君が怪我しているところを見つけて助けたんだ。アキラっていう宜しくな。」

「ありがとうございます、僕はケルンです。うっ......」

「おい、ケルン無理はするなよ。まだ少し休んどけ。」

「はい、そうさせて頂きます。」





パチパチパチ


「(異世界生活初日で野宿をすることになるとは。)」


 アキラはケルンの様子を見ていたら日が沈み初め、野宿の出来そうな洞窟まで少し歩き野宿をすることとなった。


「いやぁ、本当に申し訳ありません。」

「大丈夫だ、気にするな。それより、何でこんな森の中にいたんだ?」

「それは、父上の誕生日プレゼントを送ってあげたくて、この森の木の上に生えている花を取りに来たんです。」

「そうか、それで無茶して木に登り落ちて怪我したってわけか。」

「本当に面目ないです。」


 アキラはケルンと沢山話した。



 ケルンはどうやらこの先の都市の領主の息子らしい。年齢は15歳で聞く限り活発的なお坊ちゃんって感じだ。

 恐らく、朝までにはこの子の父さん、つまり領主様がこの子を兵にでも捜索させるだろうな。

 まっ、俺はこの子を助けたんだから悪い扱いはされないと信じたいね。面倒事と言って逃げて、今動けないケルンを置いてくのも気が引けるしな。
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