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思わぬ話し合い
しおりを挟む「これより、ジルベール伯爵家とイライザ公爵家の先日の件についての話し合いを始めたいと思う。公爵家である私、ジグル=シャザムが中立人としてこの話し合いを取り仕切らせてもらう。」
大きな会議室の左側にはジルベール家の領主リガルド=ジルベール、ジーク、そしてリサ。私、父さんは右側の席にいる。真ん中にいるのはこの話し合いを取り持つシャザム公爵家の領主のジグルさんだ。
「まず、沢山のことが問題としてあげれるが、初めにシーナ=イライザがリサに嫌がらせをしていたということについてを話し合おうと思う。」
こうして、私(シーナ)の今までリサにしてきた悪事を暴露された。
まあ、私(シーナ)は散々なことしていたわ。こりゃあ、今回の話し合いはこちらがどれくらいの軽傷で終えるかってとこが重要な点になりそうね。
「シーナ=イライザはリサと同じ学園にいた際に教員を買収し、リサの成績を下げる、出された課題を彼女にやらせる等、あげればキリがないことを行っておりました。また、外部の人間を雇い、彼女に怪我もおわせておりました。」
そう、私(シーナ)とリサとジークは学園にいたのよね。設定では私たちは同級生(18歳)で貴族か優秀な実績を持ったものしか入学ができない「王立鳳皇学園」に通っていた。そして、ジークは同じクラスにいたリサの圧倒的な才能に惹かれて、それに嫉妬した私が意地悪をするってストーリーなのよね。
「シーナ=イライザ、今の話に嘘や偽りはありますか?」
「多少、脚色されている部分はあるかもしれませんが、おおよそは事実です。」
あんまり内容は覚えてないから、反論できないけど、ちょっとの抵抗はしておかなきゃね。かと言って、変に反論して証拠を出されてもたまったもんじゃないしね。
「わかりました。では、シーナ=イライザが行ったことに対して、今回、ジーク=ジルベールが行った対応が適切だったかについての話をしましょう。」
本題はここである。1番恐れるべきは「処分が甘かった」となることである。そしたら、破滅エンドに進んじゃうから、どうしてもここは適切だったってことにしなきゃ!!
「私は適切だとは思わない。我が娘、シーナ=イライザがリサ殿に行ったことが悪いことは承知だが、ジーク=ジルベールがシーナに行った婚約破棄や投獄に関しては過剰という話ではない。ジルベール家の領主でもないのにも関わらず、このような決定を行うのはいかがなものかと。」
「いや、まさにケルベルト殿のおっしゃる通りだと思います。我が愚息が行ったことは過剰な対応だったと言わざるを得ない。」
おっと?何だこの展開は。ジークのお父さんもジークが悪いということを言ってるんですけど!!これは、もしかして激アツ展開??
「いえ、父さんにリガルド様、私が行ってきたことを考えれば当然のことだと思います。今思えば、私はリサ様に嫉妬をしていたのだと思います。私が至らないばかりにリサ様の持っている力に嫉妬をし、今回のような愚行をしてしまいました。」
よし、完璧よ私。こうやって、ジークを庇ってあげれば、なんとか恨みは消えて私は処刑されなくて済むはず!!
「シーナは優しい子でこう言っているが、私は許す気は無いぞ。リガルドよ、お前の息子にはきっちりと責任を取ってもらうからな!!」
「お父様!!おやめください!いいのです、ジーク様は私に気づきをくれたのです。改心させるきっかけとなってくれたのです。だから、彼は悪くありませんの!」
はい、これはもう勝ちフラグが立ってると思うんですけど。
「大変申し訳ありませんでした、ケルベルト様。私がシーナ=イライザに行ったことは確かに過剰な対応だったかもしれません。しかし、私は後悔はしておりません。最愛の者を傷つけられ黙ってはいられませんでした。罰ならしかと受けましょう。しかし、私はシーナ=イライザのしたことは許す気にはなれません。そして、婚約破棄の件についても考え直す余地は私の中ではありません。」
えぇ、ちょっとジークさん?私の事恨みすぎじゃん?私、絶対に殺られる気がするんだけど……
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