悪役令嬢になった3時間後に断罪イベントってありですか

ss

文字の大きさ
上 下
4 / 5

思わぬ話し合い

しおりを挟む


「これより、ジルベール伯爵家とイライザ公爵家の先日の件についての話し合いを始めたいと思う。公爵家である私、ジグル=シャザムが中立人としてこの話し合いを取り仕切らせてもらう。」


 大きな会議室の左側にはジルベール家の領主リガルド=ジルベール、ジーク、そしてリサ。私、父さんは右側の席にいる。真ん中にいるのはこの話し合いを取り持つシャザム公爵家の領主のジグルさんだ。


「まず、沢山のことが問題としてあげれるが、初めにシーナ=イライザがリサに嫌がらせをしていたということについてを話し合おうと思う。」


 こうして、私(シーナ)の今までリサにしてきた悪事を暴露された。
 まあ、私(シーナ)は散々なことしていたわ。こりゃあ、今回の話し合いはこちらがどれくらいの軽傷で終えるかってとこが重要な点になりそうね。



「シーナ=イライザはリサと同じ学園にいた際に教員を買収し、リサの成績を下げる、出された課題を彼女にやらせる等、あげればキリがないことを行っておりました。また、外部の人間を雇い、彼女に怪我もおわせておりました。」


 そう、私(シーナ)とリサとジークは学園にいたのよね。設定では私たちは同級生(18歳)で貴族か優秀な実績を持ったものしか入学ができない「王立鳳皇学園」に通っていた。そして、ジークは同じクラスにいたリサの圧倒的な才能に惹かれて、それに嫉妬した私が意地悪をするってストーリーなのよね。



「シーナ=イライザ、今の話に嘘や偽りはありますか?」

「多少、脚色されている部分はあるかもしれませんが、おおよそは事実です。」


 あんまり内容は覚えてないから、反論できないけど、ちょっとの抵抗はしておかなきゃね。かと言って、変に反論して証拠を出されてもたまったもんじゃないしね。


「わかりました。では、シーナ=イライザが行ったことに対して、今回、ジーク=ジルベールが行った対応が適切だったかについての話をしましょう。」



 本題はここである。1番恐れるべきは「処分が甘かった」となることである。そしたら、破滅エンドに進んじゃうから、どうしてもここは適切だったってことにしなきゃ!!



「私は適切だとは思わない。我が娘、シーナ=イライザがリサ殿に行ったことが悪いことは承知だが、ジーク=ジルベールがシーナに行った婚約破棄や投獄に関しては過剰という話ではない。ジルベール家の領主でもないのにも関わらず、このような決定を行うのはいかがなものかと。」

「いや、まさにケルベルト殿のおっしゃる通りだと思います。我が愚息が行ったことは過剰な対応だったと言わざるを得ない。」



 おっと?何だこの展開は。ジークのお父さんもジークが悪いということを言ってるんですけど!!これは、もしかして激アツ展開??



「いえ、父さんにリガルド様、私が行ってきたことを考えれば当然のことだと思います。今思えば、私はリサ様に嫉妬をしていたのだと思います。私が至らないばかりにリサ様の持っている力に嫉妬をし、今回のような愚行をしてしまいました。」



 よし、完璧よ私。こうやって、ジークを庇ってあげれば、なんとか恨みは消えて私は処刑されなくて済むはず!!



「シーナは優しい子でこう言っているが、私は許す気は無いぞ。リガルドよ、お前の息子にはきっちりと責任を取ってもらうからな!!」

「お父様!!おやめください!いいのです、ジーク様は私に気づきをくれたのです。改心させるきっかけとなってくれたのです。だから、彼は悪くありませんの!」



 はい、これはもう勝ちフラグが立ってると思うんですけど。



「大変申し訳ありませんでした、ケルベルト様。私がシーナ=イライザに行ったことは確かに過剰な対応だったかもしれません。しかし、私は後悔はしておりません。最愛の者を傷つけられ黙ってはいられませんでした。罰ならしかと受けましょう。しかし、私はシーナ=イライザのしたことは許す気にはなれません。そして、婚約破棄の件についても考え直す余地は私の中ではありません。」




 えぇ、ちょっとジークさん?私の事恨みすぎじゃん?私、絶対に殺られる気がするんだけど……
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

禁断

wawabubu
恋愛
妹ののり子が悪いのだ。ああ、ぼくはなんてことを。

悪役令嬢カテリーナでございます。

くみたろう
恋愛
………………まあ、私、悪役令嬢だわ…… 気付いたのはワインを頭からかけられた時だった。 どうやら私、ゲームの中の悪役令嬢に生まれ変わったらしい。 40歳未婚の喪女だった私は今や立派な公爵令嬢。ただ、痩せすぎて骨ばっている体がチャームポイントなだけ。 ぶつかるだけでアタックをかます強靭な骨の持ち主、それが私。 40歳喪女を舐めてくれては困りますよ? 私は没落などしませんからね。

淡泊早漏王子と嫁き遅れ姫

梅乃なごみ
恋愛
小国の姫・リリィは婚約者の王子が超淡泊で早漏であることに悩んでいた。 それは好きでもない自分を義務感から抱いているからだと気付いたリリィは『超強力な精力剤』を王子に飲ませることに。 飲ませることには成功したものの、思っていたより効果がでてしまって……!? ※この作品は『すなもり共通プロット企画』参加作品であり、提供されたプロットで創作した作品です。 ★他サイトからの転載てす★

伯爵令嬢は王子に婚約破棄され生きたまま鳥葬刑にされた。

克全
恋愛
「アルファポリス」と「小説家になろう」にも投稿しています。 4話で完結です。 応援お気に入り登録お願いします。

私の素晴らしきお嬢様

聖 りんご
恋愛
私、ジョシュアの御使いするお嬢様は大変素晴らしき御方、まさに此の世に降り立った天使でございます。 私はお嬢様のどんな些細なことも忘れないようにお嬢様が日記を書き始めた本日から私も日記を書くことにしました。 対作品【私のオカシイ執事】 ※少し過激な表現を含みます。年齢設定が高めなのは念のためです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

処理中です...