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サンデウロ大陸編
1076話 残った女
しおりを挟む「なあ、あとどれくらいで着くんだ。」
「もう少しで着きます。」
「そんなわけないだろう。ここからはあと数百kmはある.....」
ヒュン
シュタッ
「はい、着きました。」
「なんだここは.....」
「例の滅びそうな小国の近くです。」
「なんという速さだ......」
「それにしても、何か異様な空気を感じますね。」
「あぁ。間違いなく何かが起こっている。」
「じゃあ、行きましょう。とりあえず、残っている民とまだ自我がありそうな人の保護を目的としてください。」
「わかった。」
4人はバラバラになり行動をした。
「(何やら気配がする。)」
マサムネは少し外れた路地を歩いていた。そこには、人影が1つもないが、四方八方からの視線を感じている。
「(これが魔物化した人間なのか普通の人間の警戒なのかがわからない。とりあえず、どこかの家に入ってみるか。)」
一歩、一歩とマサムネはその1つの家へと近づいてく。
すると、何かに気づいたマサムネはあと五歩くらいの場所まで行くとふと止まった。
そして、鞘に手をかけた。
一歩
また一歩
タッ
三歩目を踏み込んだと同時にマサムネは刀を抜き、ドアを斬った。
「何もいない.....」
「うわぁあああ。」
ドアの近くの壁から女が包丁を持って襲いかかってきた。
ドンッ
マサムネは咄嗟に女の腹を殴り、気絶させた。
「うんっ」
「気がついたかい。」
「うわぁぁ。」
目を覚ました女の上からマサムネは覗き見た。
「安心しろ。俺は普通の人間だ。と言っても、あんたらとは服装も髪型も違うけどな。」
「はぁはぁ、助かったわ。」
マサムネはその女から話を聞いた。
「やっぱりだ。話に聞いていた通りだ。」
「え?何か聞いていたの!」
「あぁ、ここに輸出されていた油に未知の細菌が現れたらしいんだ。」
「そいつらは人間の身体を蝕み、魔物化させる。下手すれば死ぬ。」
「そして、人を襲いそいつらにも感染させる。どうやら、空気感染の線は薄いそうだから、接触さえしなければ問題は無いとのことだ。」
「俺らはそのまだ問題のない人らを助けて、これ以上の被害を出さないためにやってきたんだ。」
「だから、早く逃げろ。ここにいたんじゃ死ぬのも時間の問題だろう。」
「わかりました!!みんなにも伝えておきます!」
「待て!そんなことをせずに逃げろ。俺がその任を承る。」
「今は自分の命を優先しろ。」
「は、はい!お願いします!!」
女は走ってマサムネが示した方へと逃げていった。
「さて、出てきな。」
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