テンプレを無視する異世界生活

ss

文字の大きさ
上 下
1,106 / 1,116
サンデウロ大陸編

1073話 特効薬の欠陥

しおりを挟む


「皆のもの、少し外してくれ。」

「はい。」

「あぁ、医療班の君たち。」

「はい?」

「ご苦労だったね。」

「勿体なきお言葉.....」

 王室には翔とファンドだけが残った。


「それで、何故ここに?」

「特効薬が出来たからといって特別来ることではないですよね?」

「それもそうなんだけどな。だけど、それはその特効薬が完璧だった時の話だ。」

「え?」

「その特効薬には欠陥がある。」

「まさか.....」

「いや、効果には間違いはない。」

「だが、入っている成分に問題がある。」


ガンッ


「どこが問題だったのでしょうか!!」


 外に出たものたちは聞き耳を立てていた。そして、我慢が出来なくなったノールが扉を開けて入った。


「お前らな。どっか行けと言っただろ!」

「すみません。ですが、どこがダメだったのか知りたいんです!」

「熱心でいいじゃないか。それにしても、君。普通の国じゃこんなことしたら首が飛ぶから少しは気をつけなよ。ファンドはいいやつだからそんなことにはならないだろうけどな。」

「陛下、本当に無礼な振る舞いをしてしまいすみませんでした。以後、このようなことはないように。」

「わかったわかった。」


「それで、欠陥の話なんだが。」

「入っている成分に問題があると言っただろ。」

「別に成分表を見る限りは毒物などは入っていないはずですが..........まさか。」

「そうだ。組み合わせが悪かったな。」

「これとこれ。それに、これとこれ。」

「これらが組み合わさることによって、特別な物質が出ることが証明されている。」

「その物質は肌に炎症を起こしたり、腹痛などを与えたりするものだ。最悪、死ぬなんてことにはならないが、もし、これらが違う成分なら危なかったぞ。」


「すみません。そこまでは目が届きませんでした!!!!」

「大丈夫だ。第一、これで試そうとしたファンドにも責任があるってもんだ。」

「すみません。」


「まあ、この改善には時間はかかんないだろうから、直して大量生産するといい。」

「はっ、早急に。」

「じゃあ、これからは本当に大事な話だからどっかいっててね。」

「失礼します。」


 エタとノールは今度こそ王室から離れた。



「あれ、わざと聞かせたんですね。」

「もちろんだ。それに、お前もだろ?」

「そうですね。普通に考えたら、翔さんが周囲の人な気づかないはずはありませんもんね。」

「とりあえずは今回の件の特効薬はこれでいいだろう。」

「そこで、ちょっと事態が思ったより早く進行しているんだ。」
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

異世界最強のレベル1

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:2,005

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:3,255

趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:38,786pt お気に入り:12,418

クラス転移したら追い出されたので神の声でモンスターと仲良くします

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:14pt お気に入り:1,974

転生貴族の異世界無双生活

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:2,212

ダンジョンが出現して世界が変わっても、俺は準備万端で世界を生き抜く

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:42pt お気に入り:2,270

処理中です...