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サンデウロ大陸編
1068話 ガロンドの評判
しおりを挟む「とまあ、こんな感じで私はいつかそこで住み込むようになり、継いだという感じですね。」
「そうか、だからヒュテテ族は一人として傷がついていなかったのか。」
「左様です。」
「だが、それだとしたら、俺が王だからといって簡単に渡すのはどうなんだ?今のが本当の話なんだとすれば、信念が弱すぎるのではないか?」
「私は王であろうが、貴族であろうがしっかり選別して、合わなければ売りませんし、引き渡すことはしません。」
「ですが、ガロンドの王と聞いたものですから、いい人だということは知っていましたよ。」
「あそこは多種族国家です。私とあの人が理想と語っていた国の形なのです。尻尾が生えていても、耳が大きくても、鼻が長くても、誰にも文句も言われず、差別のされない国がこの世界にはいくつありますか。」
「こんなにも大きな世界でこんなにも沢山の国があるのにですよ、片手で事足りてしまうんです。」
「そんな、指の一つであるガロンド。その国を創った方が命の重みを知らないはずなどない。むしろ、私よりも知っていると思ったんですよ。」
「もちろん、それだけではありません。商人なので色々な情報が入ってきて、その中でもガロンドの評判は商人の中でも市民の中でもずば抜けてよかったんですよ。」
サコンはガロンドの話をずっとしていた。
「ですから、私は引渡したのです!」
最後には胸を張り、自信満々にそう答えた。
「そんなにも評価されていると思ってもいなかったな。」
「いえいえ、当然です。あなたのやってきた努力は私ごときでは想像もつきませんが、弛まないものであることだけはお察しさせていただきます。」
「失礼ながら、この後食事でもいかがですか?折り入ってお話が。」
「わかった。」
「2人はどうする?くるか?それとも、2人で街を回るか?」
「どうするレイ?」
「ナナに任せるよ。」
「じゃあ、そうさせてもらいます。」
翔とサコンは食堂、レイとナナは街へとバラけることになった。
「いやぁ、ここはフライが美味しいんですよ。」
「じゃあ、ここのメニューは任せる。」
「おまかせくださいませ!」
「ねぇ、あっちに行こ。」
「うん。」
2人は屋台が並ぶ繁華街のような所へと入っていった。
「これ美味しそうじゃない。デンジャーチキンのからあげ!」
「美味しそうだね。」
「2つください!」
「あいよ。」
ナナはからあげを受け取り、レイを連れて座れる場所を探した。
近くにベンチがあったため、そこでこしをかけることにした。
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