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サンデウロ大陸編
1059話 半永久氷塊
しおりを挟む「ナナの職業的には今はどんなものなんだ?」
「そうてすね、今は"出張精霊契約士"とかですかね?」
「面白い肩書きだな。この世にそんな職業のものはなかなかいないだろう。」
「翔さんは今は何を?」
「職はないなぁ。事実、働いているわけでもなく旅をしているだけだからな。」
「一昔なら"魔法研究者兼Zランク冒険者兼経営者兼魔法理論提唱者兼商人兼ガロンド現国王"といった恐らく世界で一番長い肩書きがあったのだがな。」
「間違いなくこんなに長い肩書きは翔さんだけですね。」
「あまり嬉しくはないけどな。」
そんな世間話などをしていると気づけば山の5分の4は登っていた。
「そろそろ着きそうだな。その前に.....」
「そうですね。」
「お、気づいてたのか?」
「小さい精霊が少し騒がしかったので。」
どうやら、少なくとももてなしてはくれなさそうな雰囲気は感じる。
「かなり強いぞ。」
「強さで言うなら、一人頭騎士団長5人分くらいか。」
「それは、恐ろしいですね。」
「それが3人もいるんだから勘弁して欲しいものだ。」
「これを持っておくといい。」
翔はナナにペンダントを渡した。
「障壁魔法が付与されているから、滅多なことではナナが傷つくことは無い、物理的にだがな。」
「だが、襲われそうな雰囲気は今のところ感じはしない。とりあえずは山頂を目指そう。」
そうはいったものの遅かれ早かれ何かしら仕掛けてくるのだということが伺えた。
気配が微量ながらも少しずつ、少しずつ近づいてきているのである。
ナナに心配させないために翔はそのことを伝えなかった。
そして、しばらくするとその時がきたのである。
「ナナ、来るぞ。」
「はい。」
ナナはやけに冷静だった。
すると、木陰から小柄の男と翔と同じくらいの身長の男と2mは超えるであろうノッポが二人目掛けて飛んできた。
「私に任せてください。」
ナナは少し前に出た。
"半永久氷塊"
ナナは出てきた3人を一瞬にして凍らせた。
これには翔も
「これが精霊子か.....。恐ろしいな。」
このリアクションである。
「見ない間にとんでもない魔法を覚えたんだな。」
「禁忌魔法の"永久氷塊"の下位互換的な魔法だな。魔法陣も実に綺麗に書かれていて魔力効率も段違いにいいな。」
「これは、すごい。」
「いやいや、ほんの少ししか魔法陣見てないのにここまで理解出来てる翔さんの方が果てしなくすごすぎますから。」
「学校の先生どころか上位魔術師の方でさえ魔法陣の理解すら出来なかったんですよ!」
「それを作る方がすごいだろ。確かにこの発想はなかったな。今度、試してみよう。改良の余地はまだありそうだ。」
「その言葉ありがたく受け取っておきますね。」
ナナはいつも通り呆れ気味だった。
「それで、この3人はどうします.....」
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