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サンデウロ大陸編
1058話 都市伝説
しおりを挟む二人は少し腰を下ろすことにした。
近くの川辺でご飯を食べながら話をしていた。
「噂には聞いていましたが、本当に多種族国家とは信じ難いですね。」
「違うのは種族だけだ。知能がある生き物が勝手に区別し差別し作った壁でしかない。人工的に作られたものなら壊すことは容易だ。」
「翔様がそう言いますと本当にそう聞こえますね。」
「なんか、ナナに様を付けられると何か違和感を感じるな。」
「何故でしょうか?」
「大人になったからですかね?」
「いや、昔いた俺の知人に似ているからだと思う。」
「そうなんですか.....」
ナナは何かを感じたのか深くは掘り下げることをしなかった。
「では、なんと呼べばいいですか?」
「様以外で頼む。」
「では、翔さんで。」
「それで頼む。」
こうして、また会話が進んでいった。
「やはり、モテたんだな。」
「そうですね。」
「まあ、可愛いから近寄りたがるのは分かるな。」
「私、可愛いですか?」
「あぁ、統計的に見ても顔のパーツの比率やバランスからして可愛いと言えるだろう。」
「..........もういいです。」
ナナは少しふてくされた。
「翔さんは可愛いと思いますか?そういうのではなく個人的な意見として!」
「そうだな。結論から言うとわからない。動物は可愛いと思うし、愛している。だが、それをナナには感じない。」
「そうですか.....」
ナナは少し呆れや諦め気味にそういった。
「しかし、嫌いではない。」
「ありがとうございます。」
少し照れたのであった。
「ところで、どうするんですか?精霊都市探すんですか?」
「いや、もういい。ここに精霊都市がないことはわかった。」
「え、どういうことですか?」
「ナナと話す前に探知魔法でここらを全て探した。」
「仮にあったとしても、俺の探知引っかからないのだとしたら手の出しようもないしな。」
「そうですか。私も全くと言っていいほど精霊の様子が分からなかったんです。」
「では、この後はどうしますか?」
「そうだな。近くの山に登り、何か面白そうなものを探すとしようか。」
「私もついて行ってよろしいですか?」
「あぁ、構わないが、あまり身の危険を保証は出来ないぞ。」
「わかっています。そんなことリーデルを出た時から覚悟はしていますから。」
こうして、二人は近場の山へと行くことに決めたのである。
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