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神編
1012話 血
しおりを挟む翔は魔力でファンドの内蔵を全て覆った。
「この後はどうなさるのですか?」
「とりあえずは血を外部へ出すことを防いだ。だから、これからは足りていない分の血を入れることにする。」
「その血はどこから.....」
「あらかじめ、騎士団のみんなには献血をという名で血を集めていたんだ。いざとなった時に使えるようにな。」
「ファンドの分は十分にあるからな。」
「まあ、鮮度の問題もあるが、保存はしっかりしておいたからな。」
そう言って、翔は収納魔法からファンドの血をとった。
「血は入れておくとして、次は外部の損傷だな。」
「これはかなりえぐれてますね.....」
「まあ、大丈夫だ。」
ファンドの身体を丁寧に拭き、除菌をしていく。
そして、完全回復薬をかけた。
すると、外部の損傷が完全になくなった。
「これは綺麗に。ですが、何故これを内臓部にかけなかったのですか?内臓もこれで治せたのではないでしょうか?」
「いくつかの問題があってな。完全回復薬は外傷にはかなりの効果が期待されているが、内傷にはあまり効かないという説があるんだ。」
「それを完全に信じている訳では無いが、成分上では可能性は十分にある。」
「だから、確実な方法をとっている。」
ファンドへの治療はほとんどが終わっていた。
「あとは.....」
「そうだな。あとは心臓を動かすだけだ。」
「どうするんですか?」
「簡単な話だ。身体に生きていると錯覚させ、身体を起動させるんだ。」
「頭を押さえてくれ。」
「わかりました。」
一人は頭を押さえ、翔はファンドの心臓の近くに手を当てた。
「じゃあ、そこから微量な電流を流してくれ。俺は振動を与える。」
「電流ですか?!」
「あぁ、そうだ。人間の身体には微量ながら電流がはしっている。」
「脳からの伝達も込めてのものだ。」
「俺は心臓の動きと機能を再現する。」
「わ、わかりました。」
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