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神編
1007話 神力と魔眼
しおりを挟む翔は悟ってしまった。ファンドの生命を救えないことに。
頭が良く、先を読める。
それは、早くに割り切って諦めるてしまうということでもある。
タッ
翔は立ち上がった。
「そいつが勝手にくたばっただけだ。無駄死にをしたようだ。貴様ならあの魔法くらいは受け止められただろう。」
「あぁ、俺なら止められた。無傷とはいかないだろうが、可能だった。それに、ファンドが死んだのはあいつ自身が勝手な行動をとったからだ。」
「そう、頭ではわかっているんだがな。どうやら、俺はお前だけは倒さないと気がすまないようだ。」
「(まさか、こいつは.....神力を.....)」
翔の魔眼ではない方の眼が金色へと変化した。
そして、膨大な魔力を纏っていた。
「こんな奴がまだいたとはな。遊ばず殺しておけばよかったと今更だが後悔するよ。」
「こちらも命懸けでなければ、とうやら生きては帰れなさそうだな。」
アイントの魔力もとてつもなく上がった。
翔はそんなこともお構いなしに殴りかかった。
ゴキッ
「ちっ、なんて力だ。少し魔力を小さくしただけで骨ごといきやがった。これが"神力"か。」
"阿劉流 烈手"
"阿劉流 漆結"
どちらも人体の急所へ的確に当てる技であり、阿劉 影虎から使うことを禁じられていた技である。
翔は初めて実戦で使ったのである。
だが、その効果は抜群だった。まるで、何十年も同じ技を練習し、使ってきたかのような自然で綺麗な型であった。
今の翔は理性というものが機能していなかった。しかしながら、自然と身体と頭は動き、その時その時に一番最適とされる選択を選んでいた。
脳が状況を処理し、身体がそれに対応する。
この過程がなく、脳が処理結果を出した瞬間。誤差が0秒の状態で身体が動いているのであった。
「ガハッ.....」
アイントは血を吐いた。
たった3回の攻撃でアイントは重症を負わされたのであった。
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