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神編
1003話 溜魔蜂
しおりを挟むその後、翔はアイントを斬り続けた。
1分......2分と時間は過ぎていった。
そうしているうちにアイントは心の中でこう思うようになった。
「全然攻撃が効いていない。先程の恐怖は何かの勘違いなのではないか。」
そのような感情が湧き出てき、アイントは少しずつ本来の自信を取り戻してきた。
しかし、翔も少しづつではあるが、アイントの装甲にダメージを蓄積させていた。
「やはりな。」
「やはり、貴様は脆弱だ。頭のこそあるものの力が足りない。惜しいな。」
アイントはそう言って、翔の攻撃を振り払った。
「やっと喋り始めたか。」
「だが、あと4秒遅かったな。」
ガタッ
アイントは膝から崩れ落ちたのである。
「貴様、何をした。」
「これは、超絶に魔力効率の悪い剣なんだよ。魔力を外部から取り入れて、刃を形成するってものだ。」
「しかし、この剣には少しばかりギミックがついていてな。」
"斬ったものから魔力を吸い取り、新たな刃を形成できる"
「この能力が今のお前をその状態まで持っていったんだよ。」
「魔力不足か.....」
「そうだ。お前の装甲に傷がついているのも正確には俺の攻撃でついたものではない。」
「お前の魔力不足で装甲を維持できなくなってたんだよ。」
「してやられたようだな。だが、それくらい想定済みだ。一神のやつに使おうと思っていたのだが、背に腹は変えられまい。」
ブスッ
アイントは空中に浮いている虫を手でつかみ、自分の心臓部の右側に埋め込んだのである。
「やはり、いたかそいつが。」
「知っているのか溜魔蜂を。」
溜魔蜂・・・難易度SS。体内に莫大な魔力を蓄えている蜂である。針で対象を刺し、魔力を注入することによって、魔力過多の状態を作り、相手を戦闘不能にさせる蜂である。魔力量が多い者が魔力不足になった時に使うこともあるそうだ。
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