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神編
994話 寄生生物
しおりを挟むサササササ
サササササ
「おい、貴様。どこへ行こうとしているんだ?」
「我の領地で隠れてからに。」
「あ、あ.....」
ブシャァァァ
「人間の血は汚いな。」
「あぁ、魔王様に先を越されたぜ。」
「ルーク、遅かったな。」
「それにしても、俺達も舐められたものですね。」
「そうだな。たかが、非凡な人間5000人ほどで魔界を制されると思われていたのだろう。」
「まあ、それなりのやつも多少はいましたが、これじゃあ魔王様の足元どころか側近の皆様の近くにも寄れないでしょうね。」
「マオウシネマオウシネマオウシネェェェー」
「黙れ。」
ブシャァァァ
「?」
「どうしましたか魔王様?」
「いや、少し肉の感触が違ったものでな。」
「魔王様。」
「どうしたムーシャ?」
「彼らの中に何やらクッキーのようなものを持っているものが複数名。」
「それが強さに関係あるのか?」
「恐らくは。これを持っているものは弱く、持っていないものは多少強くなっていました。」
「つまり、これを食ったヤツは強いが食わずにとっておいたやつはよ弱いってことだな。」
「はい。」
「どうぞ。」
フォースはクッキーのようなものを持ち、魔眼でそれを見た。
「これは生物だ。」
「なんと?!」
「動きはしないが、体内に入ることによって、細胞が活性化し動き出す。そして、こいつは脳内まで動いて移動して、ホルモンバランスをおかしくする。」
「それが強くなる理由だ。それに伴って、感情のコントロールが出来ないようになり、暴れ出す寄生生物だ。」
「それは恐ろしい.....」
「しかし、何かがおかしい。」
「なんでございますか?」
「こいつは何者かの手によって故意に作られた人工生物なんだよ。」
「翔殿にお伝えしますか?」
「いや、しなくていい。翔なら既に気づいているさ。それに、今連絡をとって大事な場面だったら迷惑になるだけだからな。」
「わかりました。では.....」
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