テンプレを無視する異世界生活

神編

990話 仕方ない

"偽森"



「ひとまずはこれで凌げるはずだよ。」

「やべぇな。あいつはフェルの兄貴より強いんじゃねぇか。」

「いや、圧なら兄ちゃんの方が全然ある。だけど、あいつの技は厄介だね。」

「触れたら死ぬかもしれないんだろ？」

「俺の雷槍は殺された。」

「魔法は恐らく殺される可能性がある。」

「じゃあ、どうするの？」

「可能性があるとするならリンの矢だ。」

「あいつが反応しきれないほどの速さで矢で頭を打ち抜けば対処できるかもしれない。」

「それでいくしかないな。」

「頼んだよリン。」

「わかったわ。だけど、私が使える最速で威力もある矢はコントロールがかなり難しいのよ。だから、最低でも0.5秒はやつに静止している時間が必要だわ。」

「わかった。それは俺らに任せてよ。」

「やばい！あいつが僕の魔法を！！」


バリン


 男は木に触れ、フェルの魔法自体を殺した。

 そうして、偽物の森はなくなった。



"風刃"


バンッ


 フェルが撃った魔法は一瞬にして消え去った。


「本当にその能力はずるいよ。」


"常闇拳"


 シャラドラの闇で作ったの拳も全て消された。


シュン


 シャラドラは触れられないようにすぐ距離をとった。


「近距離は本当に不利だよ。」


 すると男は、呼吸をする間もなくシャラドラに襲いかかった。


「ちょ、ちょっと、まっ.....」


ザクッ


「お前の相手は俺だよクソ野郎。」

「ギダ、助かったっす。」


 男の脇腹に槍を刺した。

 2人は即座に距離をとった。


ジュワァァ


 刺した脇腹から煙が出て、がっぽり空いた穴が塞がり始めた。


「こいつ人間じゃねぇのかよ。」


 その後もヒットアンドアウェイを繰り返して、リンへのチャンスを作ろうとしていた。


「ちっ、いつまで続けりゃいいんだよ！」

「ギダ、口じゃなくて身体動かしな。」

「っるせぇ！」


 突いては離れて、撃っては離れて、打っては離れてを繰り返していくうちに3人の体力はどんどんと削られていく。


「もういいわよ！使いたくなかったけど仕方ないわ！！」