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天災編
973話 セトム連盟
しおりを挟む加盟後、四国連盟の名前が「セトム連盟」へと改名された。
セトムとは、神語で「平和」という意味だ。
厳しい条件ではあるが、これからは連盟に加盟させることも視野に入れるのだそうだ。
そして、シュテンダムの方にも進展があった。
閉鎖撤廃宣言をシュテンダムは出し、貿易なども徐々にしていくのだそうだ。
もちろん、ガロンドともしてくれると言うのだから有難い。
「それで、これを買い取らせてくれ?」
「隕石をですか?」
「あぁ。これは、加工こそ難儀ではあるものの、素材としては超一流だからな。」
「そうなんですか。では、半分ほど差し上げます。」
「いいのか?」
「はい。元はといえば、ガロンドの騎士団の皆様が来てくださらなかったなら、この国自体存在していません。むしろ、半分でよろしですか?」
「もちろんだ。そういうことだから、半分は持っていてくれ。」
「はい。では、交易品は以上ですね?」
「あぁ。」
さすがに長い間、自給自足していただけのことはある。
資源に関しては文句はない。うちと比べても何ら遜色もないし、シュテンダムのみでしか自生しないものなども存在している。
いい取引相手を見つけた。
セトム連盟の中でも上手くやっていると東からよく聞く。
閉鎖していたが故に他文化にいい意味でも影響を受けずに、独自の技術が完全に出来上がっていて、唯一無二のものになっているのだそうだ。
これは、技術や文化を輸入するために1度は足を運んでみなければな。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「これは、会議で決まったことだ。」
「どうしてもか?」
「どうしてもだ。」
「そろそろ童も力を持てい。」
「いや、いらないよ。それに、信者の選定とかも必要なんだろう?」
「童は人間だから、ある程度の融通は効くはずだ。」
「だとしても、俺にメリットが無さすぎるんじゃないか?」
「そんなことは無い。歳は取らないし、信者の数によって、自らの力にも繋がる。それに、"神力"を使うことも出来るようになる。」
「だとしても、俺は"神"にはならない。」
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