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天災編
967話 葛藤
しおりを挟む「この件はファンドに任せよう。」
翔さんはああ言ってくれたが、他国に勝手に騎士団を連れていっていいものなのだろうか.....
俺も今では一応、領主であり、色々な責任が伴ってくる。私情で行動してはならないのでは.....
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「翔さん、俺は」
翔は割り込み
「おい、ファンド。お前は好きに動け。」
「え?」
「この国のため、俺のためなんて考えるな。今までファンドには助けられてきた。お前がいなければこの国は今、ここまでのし上がってはいない。」
「我慢はするな。自分がやりたいことをしてくれ。」
「では、騎士団をお貸しください!」
「あぁ、いい顔になったな。」
学校で仲間と切磋琢磨している時のようないい顔だ。
「騎士団を連れて行ってくれ。」
「わかりました!」
「あ、それと、アドバイスを一つ。」
「隕石を壊す時は一瞬でやれ。」
「わかりました!!」
うん、これでいい。
騎士団とファンドでは少しばかり不安はあるが、十分に期待と信頼を寄せられる。
┈┈┈┈┈2日後┈┈┈┈┈
「あと、10時間後くらいに落ちてくるな。」
「各位に告ぐ。8時間後には結界を貼れる準備をしておくように。」
「はっ。」
一応、市民にも落ちることは伝えているが、やはり、順応性が他の国とは別だ。
誰一人として、騒ぎ立てたり、国から出たりなどはしなかったそうだ。
あとは俺が隕石を止めるだけだ。
なに、簡単なことではないか。
心配なのはあっちだ。
「これ以上近づくなら攻撃を開始する!」
「あちゃーどうしますかファンドさん。」
「援軍としてきて敵対されるとは、いささかふには落ちませぬな。」
「しかし、やつらの言い分も最もだな。」
「そうだ。俺らがこうして勝手に出向いてきて、助ける と言われても普通は信じないだろう。」
「それに、ここは閉鎖国家 ラルトス だからな。」
「ここの秘密が漏れることは無く、冒険者や商人はおろか、国民でさえ出入りできない国だ。」
「それくらいの情報しかないため、他国も変に手は出せないってことだ。」
「まあ、それはそうですよね。貿易もせず、成り立っている国ってことはかなりの資源がある可能性が高い。」
「つまりは技術面も侮れないというわけか。」
「そういう事だ。」
「じゃあ、俺らの援軍なんて別にいらないんじゃないですかね?」
「一応だ。一応.....」
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