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天災編
966話 隕石対策
しおりを挟む「ファンド、この国に警告してあげてくれ。」
「分かりました。」
「信じなかったり、応答しなかった場合は無視しろ。」
「はい。」
「じゃあ、他のものはよく聞いてくれ。」
「今、俺たちがいるこの地区に隕石が落ちると予想されている。しかも、それは三日後だ。」
「三日後ですか?」
「早すぎます.....」
「まあ、そう焦るな。」
「本来なら、来る直前までわからないものだ。それが、三日も前から知ることが出来ている時点で喜ぶべきことだ。」
「それに、対策案も用意している。」
「規模は中規模とそこそこのものが降ってくるので、それを空中で破壊し、地に着く前に収納魔法で取り除こうと考えている。」
「なるほど。確かに、それならば被害はないと思われますが、どうも現実味がないと言いますか.....」
「そうだな。その意見は最もだと思う。隕石を宙で壊し、それを一つ残らず収納魔法でしまうというのは、いささか無理だと思われるのも妥当だ。」
「しかし、やるのは俺だ。俺を信じろ。」
翔の目を見た役員は頷く他なかった。
後日、その者達から話を聞くと
「あの時に確信しましたよ。私たちのこの国に隕石など落ちることなんてないってね。」
と言ったそうだ。
「それで、私達は何をすれば?」
「あぁ。一応、民にはこのことを伝えてくれ。」
「そして、仮に破片などが飛んで行った場合、子どもたちなどが怪我する恐れも捨てきれないため、街の上に結界魔法を貼ってくれないか?」
「わかりました。直ぐに民と術者には伝えます。」
「あぁ、そうしてくれ。」
とりあえずはこれでなんとかなる。
一番心配なのは他国なんだが........
「やはり、耳を貸しませんでしたね。」
「そうか。まあ、仕方ないな。」
「だが、困ったものだ。知っておきながらも滅ぼされるところをただ見ているというのはあまり気分のいいものでは無いな。」
「そうですね。」
ファンドは少し悲しそうな顔をしていた。
それに気づいた翔が
「騎士団なら貸すぞ?」
「え?」
「ファンドがやる気なら行ってもらっても構わない。こちらは人手が足りているからな。」
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