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天災編
965話 占い
しおりを挟む「失礼します。」
「はいはい。」
「マラスさん、今日はお願いがあって来ました。」
「陛下が私のようなものにそんな敬語だなんて。」
「ハッハッハ」
2人とも顔を見つめ合い笑った。
「どうやら、まだこの世で生きていけそうな感じですね。」
「失礼ですこと。陛下もまたその人相に磨きがかかったんじゃないですか?」
「そんなことより、何故ここに?」
「あなたに占って欲しいことがあって。」
「もちろん、あれ以降占ってもらうことをしなかったのですが、こればかりはあなたに頼らなければならないと思いまして。」
「あなたが私の力借りるということは相当なことなんでしょう?」
「この国の民の命に関わることなので。」
「あら、そういうことならやらせてもらうわ。」
マラスは即答だった。
「私はね、この国がとても気に入ったんです。本当の意味での人種差別などなく、国民一人一人が向上心があり、その実力が評価される。」
「これ程までに頑張りたいと思わせてくれる国は他にはありません。」
「そんな国を私は守りたい。陛下のためでも皆様のためでもなく、私のために。」
「その為ならば、この老体に鞭でもうちますよ。」
翔はマラスに隕石の話をした。
「なるほど、それは確かに規模などがわからなければ、手も足も出なさそうですね。」
「そうなんです。」
「わかりました。占います。」
マラスは目をつむり、集中した。
その場の雰囲気が様変わりし、翔は呼吸をするのを忘れるほどに見入った。
「見えました。」
「結果は?」
「この国に中規模の隕石が落ちることが予想されます。」
「そうですか。それで、具体的には?」
「この中枢は80%ほど壊滅するくらいの破壊力を持っています。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「あ、あと、他国には?」
「落ちます。」
「どこか教えていただいても?」
翔は地図を出した。
「ここの南東とここの北側に落ちると予想されます。どちらも、大規模なものとなってます。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「本当に大丈夫なのですか?」
「安心してください。この国の民に傷一つ付けさせはしませんから。」
「建国する際に俺は言いました。」
「守ってやる と。」
「嘘つくの好きじゃないんですよね。」
翔は微笑みながらマラスの家を出ていった。
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