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天災編
小ネタ 阿劉 影虎⑤
しおりを挟む┈┈┈┈┈数日後┈┈┈┈┈
ドンドン
誰かが来たのか....それより、インターホンつけたいな。
「はい?」
ガラッ
「私は警視監の辰丈一だ。」
「はぁ。」
「君は阿劉影虎くんだね?」
「はい。」
警視監って言えばかなり上の役職じゃなかったっけ.....
「それで、警視監殿がなんのようで?」
「君はあの阿劉一族の血を受け継いでるのかを知りたくてな。」
「確認はしたことは無いが、受け継いでるとは思うな。」
「そうか。もし、よければだが、うちで働かないか?」
「どういうことだ?」
この辰という男は俺の噂を聞いて家を訪ねに来たのだという。
なんでも、阿劉一族の大ファンらしい.....。
「警察がそんなことを言っていいのか?一応、こっちは殺し稼業だ。」
「まあ、声を大にしては言えないな。だが、阿劉一族というのは悪を裁いてきた歴史があるからな。そこには誇りというか、そういうものを感じる。そこがいいんだ。」
「そうですか。俺はもうバカ親父たちとは無関係だ。殺しは特別な理由がない限りはしない。」
「それでいい。うちで働くということは殺してはいけないということだ。」
「だから、待てって。俺は働かないぞ。」
「何故だ?金に困っているのではないのか?」
さすがに金をカツアゲしたことは警察の前では言えないな。
「金など、どうとでもなる。俺は働くという縛りが嫌いなんだ。」
「なんだ、そんなことか.....。そこは私に任せなさい。」
話を聞いてみると、俺のための課を作るのだそうだ。権力があるから容易なんだそうだ。
その課に名前を置くことで、毎月しっかりとしたお金が貰えるんだそうだ。それに、出勤もしなくていいという怪しさ満点に好条件だ。
「それで、俺をどうしようってんだ?」
「まあ、そんな怖い目で見るな。君にしか出来ない仕事がある。」
「なんだ?」
「簡単にいうと裏の仕事だな。」
「警察が手を出せないとこを賄ってもらう。」
確実に黒だが証拠が不十分な時や勢力が大きすぎる暴力団の戦力を削ぐことなどを俺にやらそうって話らしい。
「そんな難しいことではない。簡単に言えば、君に"正義"という大義名分を与えるんだ。」
「警察という権力を使えば、先日、君の家に鉛玉をぶちこんだ輩を合法的にボコボコに出来る。」
「なるほど。話はわかった。その話受けるとしよう。」
「ただし、3ヶ月契約だ。」
「わかった。」
「それより、あんたいいのか?俺が阿劉一族って確信はないだろ?」
「あぁ?バカいうな。お前さんから出てる覇気が普通の20にもなってない小僧が出せるわけないだろ。」
「それに、代々受け継がれてきた目の下のホクロもあるしな。」
「本当によく知ってんな。」
「ファンだからな.....」
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