テンプレを無視する異世界生活

新世界編

942話 居抜と仙人

「という訳で、居抜頼むぞ。」

「何故、俺がやるんだ.....」

「それは俺じゃ勝てないからだ。」

「そんな戦いを何故受けたんだ。」

「お前がいるからだよ。」

「俺が受けないと言ったらどうするんだ。」

「まあ、俺が全力でやるしかないわな。」


拓真はため息を漏らしながら、渋々承諾した。


「ちなみに多分、お前の抜刀は何手かで見抜かれるはずだぞ。」

「そんなの承知の上だ。確かに俺は最初の一撃に命をかけているが、その後の手を疎かにするという選択肢はない。」

「そうか、それは頼りがいがあるな。」



そして、予定の日を向かえた。



「それでは、私がこの試合の審判をしよう。ルールは簡単。剣以外を使ってはならない。その剣の能力も使うことを禁ずる。」


まあ、正真正銘の真剣勝負ってことだな。


「では、互いに見合え。」


二人とも鞘に手をかけるだけだ。


「初め。」



「あの王が出てくると思えば、こんな辛気臭い小僧が出てくるとは思わなかったよ。ここに立ってるってことは半端な覚悟では来てないだろうな？」