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武闘大会編
509話 本気にさせる
しおりを挟む二人は始まる前から牽制し合っている。
「はぁ、だけど少し期待外れだったよ。」
「何がだ?!」
「翔さんがあそこまで言う相手だからどれほどかと思えば.....。この程度なら勝てそうだ。」
「挑発のつもりかガキが。まあ、俺は大人だから許してやるさ。それにどっちが強いかなどすぐ決まることだ。」
カーン
試合のゴングが鳴った。
「あんたは剣を使わないのか?」
「いや、俺は剣士さ。」
「じゃあ、剣を抜けよ。」
「それは出来ないな。俺が剣を抜く時は命をいただく時か本気の時だけだからな。」
「なるほど。俺はまだ本気を出すまでもないってか。なら本気にさせるだけだ。」
「というか、本気を出す前に終わっちゃうんじゃないかな。」
「口だけじゃなくて実力で.....」
ドゴォーン
ファンドは炎の渦をバルムスに向けて撃った。
「ちょっとやり過ぎたかな。調整が難しいな。」
「確かにこれは舐めてかかると危ないな。」
そう言いながら無傷で炎の渦から出てきた。
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