テンプレを無視する異世界生活

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武闘大会編

504話 霧鮫

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リィーンは居抜の腕を掴んでいた。

間違いなく斬られたはずの腕がリィーンの身体にはしっかりくっついていたのだ。


"霧鮫"


居抜を喰らうかのように霧でできた鮫は襲いかかった。


「こいつに襲われたら最後。魔力を吸い尽くすまで終わらないですよ。」


ピィィィィィ


笛が鳴り響く。


「レフェリーストップにより試合終了!!!」


いい判断だレフェリー。あと少しで居抜の腕がどうなっていたかわからなかった。


リィーンは居抜へと手を貸した。


「大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫だ。」

「君はとても強い。だけどね、強いだけでは勝負には勝てない。君はとても勝ちにこだわっているように見えたんだが、どうしてだい?」

「勝たなければ意味が無い。俺が存在する意味もない。」

リィーンは手を顎にあてながら言った。


「それは違いますよ。勝負に本気でぶつかってください。君のその一回の抜刀に全てをかけてください。」

「本当に強い人には結果が必ずついてくるものです。結果を追いかけず、常に本気の自分を出してください。そうすれば、君が私に勝つのなんて難しいことではありませんよ。」

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