転生しすぎて異世界に飽きたので今世で終わりにしようと思います

1 最後の転生

「また勇者か。」


 俺はひょんなことから異世界転生して、世界を救うために魔王を倒すこととなった。


 というのが、およそ8万年前の出来事だ。


 俺は勇者となり8万年前に魔王を倒し、余生はあまりある程の富と名声にものを言わせて、豪遊をした。この生活を永遠に続けたくて俺は不老不死になる方法を探し、見つけ出した。


 とは言え、完璧には見つけ出せず、出来たのが【死ぬと能力と記憶を持ち越し転生する】というものだった。




「これが最後の人生か。」



 俺はもう豪遊に飽きた。8万年間も色々な人生を経験した。もうさすがに飽きた。

 だから、俺はこれを最後にして、二度と転生をすることは無いだろう。



「(ステータス)」




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名前:カイ 

年齢:7歳

職業:勇者

天職:勇者

適正:全適正

能力値:全てカンスト

スキル:全て保持・カンスト

加護:全て保持・カンスト



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「何百と見たステータスだ。こいつ俺はカイっていうのか。」



 俺が俺だと認識するのは5~7歳の間だ。これは、何故かは分からないがいつもそうなっている。だから、最低でも5年は自力で生き延びなければならない。


 といっても死んだら、また転生するだけなんだけどな。




「とりあえず、魔力を溜めるか。」



 この世界には魔法と言う概念が存在している。魔法というのは魔力を媒介として発動する。

 魔法＝エネルギー というのがこの世の摂理だ。だから、魔法をエネルギーに変換できるということは逆も然り。

 だが、この世界にこの摂理を理解しているものは数える程しかおらず、また、それを上手く運用しているのは恐らく俺だけだろう。



「よし、ここでいいか。」



 俺はどうやら、貴族に生まれたっぽい。広大な庭があり、家族だけではおよそ持て余すだろう大きな城に住んでいた。

 俺は存在感を消し認識されないという効果のあるスキル『隠密』を使い、外に出て、自然が豊かなところまで移動した。




「おい、出てこいよ。お前の気配には気づいてるぞ。」