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10.淫靡な宴と逃亡
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蕪木がテーブルを回り始めると、テーブル周りに即座にギャラリーが出来た。
「幼い頃と味が変わっていないかどうか、味見をしてみよう」
1番テーブルの男は、即座に蕪木のシャツをはだけさせ、乳首に舌を這わせた。ピクッと蕪木が仰け反れば、ギャラリーからの拍手がざわめく。
男たちは持ち分の薔薇をありったけ賭け、蕪木を我が物にしようと必死な様相だった。
味見はエスカレートし、陰茎を口に含んでゆっくりとフェラをされたりしていると、蕪木も僅かに残っていた過去の記憶から躯体の芯が熱くなってくる。
「あ、あ……、ぁああっ」
何しろ味見のエスカレートを止める者がいないのだから尚更だ。富田はそそくさと厨房奥に戻って行った。ギャラリーはいつしか蕪木を犯しまくる魔の人間達に成り果てた。
「んあッ、ぁあああ……、ぁああっ」
「まだまだ現役だな、支配人にさせておくよりも花を贈られる方がいいんじゃないのかね?」
一人の男は蕪木を犯しながらそう言うと、更に奥の奥まで何度も何度も貫く。
「ぁああああッ、あっ、あっ、あっ、ぁあああっ」
後孔を貫かれ、フェラをされ、フェラをさせられ、代わる代わる男たちが満足してはギャラリーに戻るまで乱交は続いた。
人がはけ、いつの間にか気付けば蕪木だけがホールに残され、寒さで身体がぶるりと震える。蕪木は疲れ果てた身体をなんとか奮い立たせ、自室まで一糸纏わぬ姿で戻り、熱いシャワーを浴びて身なりを整えた。
できないと思われていた「脱出」。
春太と智宏のように恋い焦がれていた同級生が逃亡し、一人残され地獄のような快楽責めに毎日遭い、そこから逃げる気さえ奪われて支配人になった今。やっと逃亡する気になれたのだ。
それは、春太と智宏の想い合う気持ちを見たからこそ、そういう気持ちが芽生えたのだ。今になれば、見張りもいない、ボディガードも今となってはおらず、富田はぐっすり夢の中だ。
蕪木は手はず通りに僅かな荷物を持ち、大金が入ったボストンバッグを4つ手に持つと、裏口からそっと外に出た。裏口から勝手知ったる森を抜け、15分ほど歩くと運転手が車の中で待っていた。
「足がつきますので、車両はボロいですがワゴンを用意しました」
「ありがとう」
「さ、すぐに出ましょう。見つかっては元も子もないですから」
蕪木は後部座席に荷物を押し込むと、すぐに助手席に乗った。
車は暗闇をゆっくり走り、灯りを付けていいところまで来るとライトを点してスピードを上げた。
「何故貴方は私の逃亡を見逃してくれるんですか?貴方も見つかれば大変なことになってしまうのでは……」
蕪木は運転手の方を方を見やると、ポツリと声を掛けた。
「貴方を好きになってしまったから、という答えではダメでしょうか……」
「えっ……」
蕪木は驚き、再度運転手を見やった。
「私は、貴方の名前さえ知らないというのに……」
「小ヶ峯亘です。小ヶ峯でも亘でも、好きなようにお呼び下さい」
「小ヶ峯さん……」
「運転手なのですから、呼び捨てで構いませんよ」
小ヶ峯はくつくつと笑いながら胸ポケットから煙草を取り出すと、「吸っても?」と声を掛けた。
「もちろん」
時間はまだ夜の10時だ。
車が向かった先は春太と智宏の泊まっているホテル。
本当なら遠くに逃げた方がいいのだろうが、彼らを置いて逃げるわけにも行かない。また、まさか逃げ出した人間達がすぐ山の麓のすぐ側ででウロウロしているとは逆に考えないであろうという理由でもあった。
「こんなに遅くにチェックインできるかな……」
蕪木がそう呟くと、小ヶ峯は「予約済みですよ」とメモを出してまた笑った。
何しろ蕪木はあのホテルに囚われてから、10年間外の世界を知らないのだ。夜の世界や夜のサービスに長けていても、少し一般常識が欠けているところがある。小ヶ峯は、蕪木のそんな可愛いところも愛していた。
蕪木には捜索願も出されていない。元々母子家庭で育った蕪木が高校生になったときには母親に恋人が出来ており、蕪木は逆に疎ましい存在になってしまっていた。
そんな蕪木が、家からふっと消えたのだ。悲しい話だが、母親にとっては好機だった。
捜索願が出されていないことは、ボスの口から聞いていた。蕪木はそれもあって逃げるという気力を全て無くしてしまったのだった。
30分後、ワゴン車がホテルに着くと、小ヶ峯はささっとチェックインを済ませ、部屋に入ると大の大人でもやり切った感は凄く小ヶ峯は蕪木を抱き締めた。
その後すぐに、夕食はないので、買ってあったコンビニの握り飯や弁当を蕪木に渡した。さすがの蕪木もお昼から何も口にしていなかったため、握り飯をがっついた。小ヶ峯はその様子を可愛らしいと思いながら、眺めていた。
「幼い頃と味が変わっていないかどうか、味見をしてみよう」
1番テーブルの男は、即座に蕪木のシャツをはだけさせ、乳首に舌を這わせた。ピクッと蕪木が仰け反れば、ギャラリーからの拍手がざわめく。
男たちは持ち分の薔薇をありったけ賭け、蕪木を我が物にしようと必死な様相だった。
味見はエスカレートし、陰茎を口に含んでゆっくりとフェラをされたりしていると、蕪木も僅かに残っていた過去の記憶から躯体の芯が熱くなってくる。
「あ、あ……、ぁああっ」
何しろ味見のエスカレートを止める者がいないのだから尚更だ。富田はそそくさと厨房奥に戻って行った。ギャラリーはいつしか蕪木を犯しまくる魔の人間達に成り果てた。
「んあッ、ぁあああ……、ぁああっ」
「まだまだ現役だな、支配人にさせておくよりも花を贈られる方がいいんじゃないのかね?」
一人の男は蕪木を犯しながらそう言うと、更に奥の奥まで何度も何度も貫く。
「ぁああああッ、あっ、あっ、あっ、ぁあああっ」
後孔を貫かれ、フェラをされ、フェラをさせられ、代わる代わる男たちが満足してはギャラリーに戻るまで乱交は続いた。
人がはけ、いつの間にか気付けば蕪木だけがホールに残され、寒さで身体がぶるりと震える。蕪木は疲れ果てた身体をなんとか奮い立たせ、自室まで一糸纏わぬ姿で戻り、熱いシャワーを浴びて身なりを整えた。
できないと思われていた「脱出」。
春太と智宏のように恋い焦がれていた同級生が逃亡し、一人残され地獄のような快楽責めに毎日遭い、そこから逃げる気さえ奪われて支配人になった今。やっと逃亡する気になれたのだ。
それは、春太と智宏の想い合う気持ちを見たからこそ、そういう気持ちが芽生えたのだ。今になれば、見張りもいない、ボディガードも今となってはおらず、富田はぐっすり夢の中だ。
蕪木は手はず通りに僅かな荷物を持ち、大金が入ったボストンバッグを4つ手に持つと、裏口からそっと外に出た。裏口から勝手知ったる森を抜け、15分ほど歩くと運転手が車の中で待っていた。
「足がつきますので、車両はボロいですがワゴンを用意しました」
「ありがとう」
「さ、すぐに出ましょう。見つかっては元も子もないですから」
蕪木は後部座席に荷物を押し込むと、すぐに助手席に乗った。
車は暗闇をゆっくり走り、灯りを付けていいところまで来るとライトを点してスピードを上げた。
「何故貴方は私の逃亡を見逃してくれるんですか?貴方も見つかれば大変なことになってしまうのでは……」
蕪木は運転手の方を方を見やると、ポツリと声を掛けた。
「貴方を好きになってしまったから、という答えではダメでしょうか……」
「えっ……」
蕪木は驚き、再度運転手を見やった。
「私は、貴方の名前さえ知らないというのに……」
「小ヶ峯亘です。小ヶ峯でも亘でも、好きなようにお呼び下さい」
「小ヶ峯さん……」
「運転手なのですから、呼び捨てで構いませんよ」
小ヶ峯はくつくつと笑いながら胸ポケットから煙草を取り出すと、「吸っても?」と声を掛けた。
「もちろん」
時間はまだ夜の10時だ。
車が向かった先は春太と智宏の泊まっているホテル。
本当なら遠くに逃げた方がいいのだろうが、彼らを置いて逃げるわけにも行かない。また、まさか逃げ出した人間達がすぐ山の麓のすぐ側ででウロウロしているとは逆に考えないであろうという理由でもあった。
「こんなに遅くにチェックインできるかな……」
蕪木がそう呟くと、小ヶ峯は「予約済みですよ」とメモを出してまた笑った。
何しろ蕪木はあのホテルに囚われてから、10年間外の世界を知らないのだ。夜の世界や夜のサービスに長けていても、少し一般常識が欠けているところがある。小ヶ峯は、蕪木のそんな可愛いところも愛していた。
蕪木には捜索願も出されていない。元々母子家庭で育った蕪木が高校生になったときには母親に恋人が出来ており、蕪木は逆に疎ましい存在になってしまっていた。
そんな蕪木が、家からふっと消えたのだ。悲しい話だが、母親にとっては好機だった。
捜索願が出されていないことは、ボスの口から聞いていた。蕪木はそれもあって逃げるという気力を全て無くしてしまったのだった。
30分後、ワゴン車がホテルに着くと、小ヶ峯はささっとチェックインを済ませ、部屋に入ると大の大人でもやり切った感は凄く小ヶ峯は蕪木を抱き締めた。
その後すぐに、夕食はないので、買ってあったコンビニの握り飯や弁当を蕪木に渡した。さすがの蕪木もお昼から何も口にしていなかったため、握り飯をがっついた。小ヶ峯はその様子を可愛らしいと思いながら、眺めていた。
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