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44話 遂にようやくヒト型になるぞという話
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大きく切り裂かれた腹部からは血が吹き出し、ぐらりとその立派な身体が傾く。
ズズゥン、という地響きのあと、森に静寂が戻った。
...勝ったか?
いや待て、これじゃ死亡フラグだ。もっかい立ち上がって襲いかかってくる...
............来ないな。
勝った...
そう思えば、全身にどっと疲れが走り、どうも足に力が入らずにぐったりと寝転がる。
あー...疲れた。まだ心臓がバクンバクンと激しく脈打っているのが分かる。
また死にかけたけど、なんか生きてた。
ぐったりとする身体を起こし、獅子の死体を改めて見ると、身体が震える。
そうか、俺こんな奴まで倒せる様になったんだ。
そう思うと、思わず足がカタカタと小躍りを始める。
見たか神コンニャローッッ!!
俺は強くなったぞコラァー!!
虫けら舐めんなこのやろ...
べちゃ。
コケた。
...やっぱ見てなくていいです。はい。ってか見るな。
何となく周りを見回すが、そこにはいつも通りの静寂な森しかない。
さっき視線を感じた気がしたのは気のせいか。木だけに。
...正直すまんかった。
お茶の間に特に意味のない永久凍結魔法が吹き荒れた所でね、取り敢えず倒したからには頂きませう。
お残しはゆるされまへんで。
ただ、ここで惜しむらくは、止めは腹掻っ捌いた一撃とはいえ、ほぼ毒殺だったこと。俺に毒は効かないとはいえ、毒特有の苦みは強く残る。まぁ、そんな事言ってられない厳しい状況だったというのは理解しているが、なるべくならば美味しく頂きたかった。
まぁ、いただきます。
もぐ。おろろろろろろろろろろろ。
はぁ!?なにコレにっっっっが!!
何と言うか、この世の苦いものを煮詰めたみたいな、若しくは砂糖舐めた後の生ピーマンみたいな、そんな感じの劇苦さ。苦すぎて意識飛ぶかと思ったわ。
コレが死毒の苦さか...
駄菓子菓子、これも強くなる為の大事な一歩。喩えこの味覚が狂おうとも...俺は俺の責務を全うする!!(単なる食事)
一時間半程の激闘の末、獅子の死骸を無事完食。何なら獅子よりも強敵だったかもしれない。
...流石にそれは無いだろうけど、それくらいの難敵だった。死骸を漁りに来た奴が一口齧って大慌てで逃げ出すレベル。毒無効持ってない奴に至っては一口で死んでた。
死毒...恐ろしい子!!
うーん、まぁ食う予定の奴には死毒は流石に封印かな。
まぁ四の五の言ってられない様な場面があったらその限りじゃないけど。死ぬよりは死ぬほど不味い方がマシ。背に腹は代えられないからね。
とはいえ二度と食いたくねぇ。そろそろ美味しいものが食べたいという欲求が日に日に増大していくのを感じながら、仏頂面で獅子の遺骸を食べ進めた。
因みにスキルは、鉄躰のスキルが上がって鋼身体に火魔法、それから蒼炎なるスキルを手に入れた。因みに蒼炎は炎系の攻撃の威力上昇、耐性貫通、また、副次効果として炎が青くなる、だった。
青い炎とかなにそれ最高にかっこいい。けどゲットしたスキルは火魔法だけだから、マッチ程度の火力の青い炎。なにそれ最高にカッコ悪い。まぁソレは今は仕方ないし、スキルの熟練度上げてくしかねぇ。
蒼炎使い...ふっふっふ、厨二心が擽られますなぁ。
そういえば、進化先追加されてないかね?
そろそろヒト型になりたいお年頃。
進化先
・蟲魔人:虫の特徴を持った魔人。戦いを極めた虫型魔物がヒト型になった。Aランク程の強さを持つ。[ランクB以上の魔物を単独で倒した虫型魔物]
俺の時代が来たようだ。
遂に!!
念願の!!
人の姿じゃあああ!!!!
前エルフっ子を届けに街に行った時に、件の虫魔人らしき人は見た。基本は人の姿に、角があったり、腕が鎌だったりと、ほぼ人間に近いし、何より人間と友好関係が築けそうな感じだった!!
もう人が恋しすぎて鯉になりそうだったからすげぇ嬉しい。
勿論早速進化...と言いたいところだが、進化すると強制眠り状態になるんだ。こんな所でぶっ倒れてればもれなく死ぬる。だからここは逸る気持ちを抑えつつ、取り敢えず大きめに穴を掘り、その中に潜り込んで、土を引っ被った。
ついでに糸術で繭も作って引き籠もっておく。これならそうそう見つかる事もあるまい。
じゃあ、進化と行こうか!
進化した俺の姿を夢想する...楽しみだ。実に楽しみだ...
ゆっくりと、俺の意識は深い暗闇へと誘われていった。
ズズゥン、という地響きのあと、森に静寂が戻った。
...勝ったか?
いや待て、これじゃ死亡フラグだ。もっかい立ち上がって襲いかかってくる...
............来ないな。
勝った...
そう思えば、全身にどっと疲れが走り、どうも足に力が入らずにぐったりと寝転がる。
あー...疲れた。まだ心臓がバクンバクンと激しく脈打っているのが分かる。
また死にかけたけど、なんか生きてた。
ぐったりとする身体を起こし、獅子の死体を改めて見ると、身体が震える。
そうか、俺こんな奴まで倒せる様になったんだ。
そう思うと、思わず足がカタカタと小躍りを始める。
見たか神コンニャローッッ!!
俺は強くなったぞコラァー!!
虫けら舐めんなこのやろ...
べちゃ。
コケた。
...やっぱ見てなくていいです。はい。ってか見るな。
何となく周りを見回すが、そこにはいつも通りの静寂な森しかない。
さっき視線を感じた気がしたのは気のせいか。木だけに。
...正直すまんかった。
お茶の間に特に意味のない永久凍結魔法が吹き荒れた所でね、取り敢えず倒したからには頂きませう。
お残しはゆるされまへんで。
ただ、ここで惜しむらくは、止めは腹掻っ捌いた一撃とはいえ、ほぼ毒殺だったこと。俺に毒は効かないとはいえ、毒特有の苦みは強く残る。まぁ、そんな事言ってられない厳しい状況だったというのは理解しているが、なるべくならば美味しく頂きたかった。
まぁ、いただきます。
もぐ。おろろろろろろろろろろろ。
はぁ!?なにコレにっっっっが!!
何と言うか、この世の苦いものを煮詰めたみたいな、若しくは砂糖舐めた後の生ピーマンみたいな、そんな感じの劇苦さ。苦すぎて意識飛ぶかと思ったわ。
コレが死毒の苦さか...
駄菓子菓子、これも強くなる為の大事な一歩。喩えこの味覚が狂おうとも...俺は俺の責務を全うする!!(単なる食事)
一時間半程の激闘の末、獅子の死骸を無事完食。何なら獅子よりも強敵だったかもしれない。
...流石にそれは無いだろうけど、それくらいの難敵だった。死骸を漁りに来た奴が一口齧って大慌てで逃げ出すレベル。毒無効持ってない奴に至っては一口で死んでた。
死毒...恐ろしい子!!
うーん、まぁ食う予定の奴には死毒は流石に封印かな。
まぁ四の五の言ってられない様な場面があったらその限りじゃないけど。死ぬよりは死ぬほど不味い方がマシ。背に腹は代えられないからね。
とはいえ二度と食いたくねぇ。そろそろ美味しいものが食べたいという欲求が日に日に増大していくのを感じながら、仏頂面で獅子の遺骸を食べ進めた。
因みにスキルは、鉄躰のスキルが上がって鋼身体に火魔法、それから蒼炎なるスキルを手に入れた。因みに蒼炎は炎系の攻撃の威力上昇、耐性貫通、また、副次効果として炎が青くなる、だった。
青い炎とかなにそれ最高にかっこいい。けどゲットしたスキルは火魔法だけだから、マッチ程度の火力の青い炎。なにそれ最高にカッコ悪い。まぁソレは今は仕方ないし、スキルの熟練度上げてくしかねぇ。
蒼炎使い...ふっふっふ、厨二心が擽られますなぁ。
そういえば、進化先追加されてないかね?
そろそろヒト型になりたいお年頃。
進化先
・蟲魔人:虫の特徴を持った魔人。戦いを極めた虫型魔物がヒト型になった。Aランク程の強さを持つ。[ランクB以上の魔物を単独で倒した虫型魔物]
俺の時代が来たようだ。
遂に!!
念願の!!
人の姿じゃあああ!!!!
前エルフっ子を届けに街に行った時に、件の虫魔人らしき人は見た。基本は人の姿に、角があったり、腕が鎌だったりと、ほぼ人間に近いし、何より人間と友好関係が築けそうな感じだった!!
もう人が恋しすぎて鯉になりそうだったからすげぇ嬉しい。
勿論早速進化...と言いたいところだが、進化すると強制眠り状態になるんだ。こんな所でぶっ倒れてればもれなく死ぬる。だからここは逸る気持ちを抑えつつ、取り敢えず大きめに穴を掘り、その中に潜り込んで、土を引っ被った。
ついでに糸術で繭も作って引き籠もっておく。これならそうそう見つかる事もあるまい。
じゃあ、進化と行こうか!
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ゆっくりと、俺の意識は深い暗闇へと誘われていった。
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