虫けら転生録

或哉

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13話 貧弱貧弱ゥ!!(自虐)

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お食事中に失礼。あ、お構いなく。
ただ草食ってるだけだから。美味いかって?クソ不味いよ!!!!!
魔物のほうがまだマシ。魔物も筋張ってるし火使えないから生臭くて敵わん。こんな身体だから血抜きすら出来ない。血液も飲めばちょっとだけど経験値になったし。
だが草よりはマシ。草食動物ってすごいね。
あーあ、うまいもんが食いたい。

というわけで、狩りをしましょう。

え?できるのかって?
はっはっは。正攻法じゃ無理に決まってるじゃないですか。
な、泣いてないですケド。
ナニヲイッテルノカナハハハ(涙)

なんか乱喰蟲なるよく分からん生物になったが、フォルムは前と変わらんし、チートスキルが生えた訳でも、ステータス爆上がりした訳でもないから、全身黒っぽくなってもスタンスは前とあまり変わらないが、難点がある。
ゴブリンに世話して貰ってた時は、色んな魔物を貰って、ソレを食って生きていた。
だから捕食のスキルがメキメキ上がってた訳だ。
だが、俺独りになり、魔物を仕留めて喰う事は出来なくなった。

では、どうするか?
決まっている。狩りをするのだ。
え?さっき出来ねぇって言ったばっかじゃないかって?
チッチッチ。浅い。浅すぎて浅漬けになりそうだよ。
...浅漬けは苦手だったけど草とか魔物より余っ程美味かったですごめんなさい。

閑話休題さて話を戻そう
さて、狩りの話だが、俺が何なのかをお忘れかな?
...違う、ムシケラとか芋虫とかそういう話じゃない。
転生者。俺は元人間の転生者だって言いたかったの。
え?前世もムシケラみたいな人生?
うっさいだまれ!!!(号泣)
まぁ、元人間な訳で、人間の武器である知能も備わってる訳だ。
だから、罠をはる。
はははは!!!卑怯と幾らでも罵るがいい!!
...あ、心に響くからやっぱヤメテ。

という訳で、落とし穴を掘る。
底に菱モドキの植物でも敷き詰めとけば完璧。
因みに菱っていうのは堅くて尖った実の植物のこと。これを乾燥させた物を撒いたのが初期の『撒菱まきびし』って訳だ。
ためになったねぇ~

はい。確か前世では食用だったからいけるかとちょっと食ってみたら死ぬほど苦くてのたうち回ったソレを落とし穴の底に撒いて行きます。
毒持ってて焦った。頬張らなくてよかった。体力半分くらい減った。
まあ、毒耐性生えたからヨシ!!(よくない)
とか言っている内に落とし穴完成。
いやあ、大変だったなぁ。
特に掘った穴から這い出るのが。
自分で掘った落とし穴から危うく出られなくなる所だった。
何故か穴掘りと木登りというスキルが生えてきた。穴掘りはまだ分かるが、何故木登り?登ったのは木じゃなくて穴だ。
穴があったら入りたいとは正にこのことという冗談はさておき。

とにかく、後は待つだけ。草をもしゃもしゃ食って待つ。うむ。まずい。
にしても、この辺の草は苦いしまずいし何だこれ。
小学生の頃とか、グラウンドの草を訳知り顔でかじって「白いところが美味いんだ」とか垂れていたバカな男子が居たと思うが、そんな男子には是非ともこの草を味わってもらいたい物だ。
きっと二度と草を食わなくなるぞ。
本場イギリス料理よりも不味いといえば...イギリスの人ゴメンネ。
まぁとにかく、そのくらい不味い草しか生えていない。
一体全体この森はどうなってるんだ。草食動物に人権を。
え?お前雑食やろがって?それはそうだけど。
え?お前虫だから人権なんざねぇだろって?それもそうだけど。

とりあえず、なんかだいぶ疲れた。
身体が重いし、やけに眠たい。
状態も状態:疲労(大)、毒(弱)ってなってるし。
因みにこの弱毒ってのは菱モドキをばら撒く時にちょっと刺さった。まだ治ってないんか。
体力はまだ3分の2くらい残ってるし、死にはしない。ハズ。
正直治す方法も無いし、慌てても仕方ないってのもある。
まぁ、寝れば治るだろ。という訳で、木登りスキル駆使して木に登る。
木の上の方が寝るにはいくらか安全だろ。知らんけど。
そんじゃ、おやすみなさーい。

俺は、眠りへと落ちていった。
この判断を、後に後悔すると知らずに。
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