放浪者

側溝

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機械世界

第三話

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「ん、ここは...」
見慣れないベッドだ。
基地のものに比べてふかふかで、とても寝心地がいい。
仲村の言っていたもう一つの世界の記憶がある状態ではないようだが、ひとまずもう一人の自分が住んでいると思われる世界に飛ぶことに成功した。
「それにしても、本当に平和な世界だ」
俺は昔の思い出を思い出す。
自分たちの世界がまだ平和だった頃、仲村とはたくさんバカなことをしたよな。
でも、その頃の記憶を持つ仲村は今はいない。
今の仲村は、別の世界から来た仲村がこちらの世界に来た時から始まっているからだ。
昨日寝る前に、何個か昔のことを聞いてみたが、仲村は一つも覚えていなかった。
この世界にいるのかはわからないが、どこかの世界にはその昏睡状態の仲村がいるはず、あいつを元の世界に返すために、そして俺の知っている仲村を取り戻すためにも頑張らなければ。

俺は二階から降りてリビングらしき部屋に向かった。
そこには見覚えのある顔。
父と母だ。
俺は思わず涙を流しかけたが、その気持ちをグッと押し殺して朝食を食べた。
その後は身支度を済まさて、この世界の俺が使っているバックの中身などを確認した。
「なるほど、縄村大学出身・・・わかるのはこれくらいか」
大学までの道などは幸運にもスマホで調べることができた。
顔認証機能がなかったら開けなかったから本当に助かった。

「さてと、後はこの世界の仲村が例の昏睡状態の仲村なのか確認するか」

「たぶん・・これかな?」

俺はSNSアプリと思われるアプリを開く。

「よし、当たりみたいだな」

俺はそのアプリから仲村とのやりとりがあるかを調べた。

「えー、最後に話したのが・・・」
「クソ、昨日も話してるのか」

どうやらこの世界の仲村は元気そうだ。

となると、どうやって中村を探そうか..
俺は落胆し、次の手を考え込んでいると激しい頭痛が俺を襲った。

「くそ、なんだ、これは」

「あれ?いつの間に準備したっけな」
「時間やべっ、急がないと」

何故かわからないが、起きてからの記憶が全くない。
それに起きた時と同じような気持ちの悪い感覚が走っている。
とりあえず、学校に急ごう。
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