実話!親ガチャ大失敗!夜逃げ中に生まれて捨てられ老夫婦に育てられた俺はワンオペ認知症介護で人生詰んでます!転生ざまぁはいつですか!

他山小石

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メンヘラストーカー編

13話

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 ちょうど俺は事故に遭って車を新しく買い替えていた。自分の車なのに。一人で運転したり、家族を乗せてる時間は少なかった。8割方ヘラ君をのせていた。
「君のために買った車じゃないんだぞ」
「はい」
「ちょっと遠慮してくれ」
「はい」

 全く意味はなかった。遠慮なんかしない。遠慮するような高等な思考など持ち合わせていない。 

 これでわかる通り、福祉の教科書に書いてあるのは医療を受け入れている利用者への対処法だ。
 医療を拒否する患者相手には間違った対処だった。

 ヘラ君は別れた女の子の部屋に明かりがついているかどうか確認しに行くような男だ。

 大きな願望が生まれたらそれが実現するまで執念を持って行動し続ける。
 満たされるまで我慢できない。

 そんなヘラ君が近所に住んでいる。自宅は教えていないが町内を走り回って調べることぐらい容易いことだろう。
 危機感があったので自宅は教えなかったが、ヘラくんの母親は俺のことを「ややこしい子」「洗脳されている」とヘラ君が被害者のように思っているらしい。

 ヘラ君の父親は警察関係者だ。
 ヘラ君の事を監視できず放置している。警察内での資格試験には熱心なタイプらしい。そこそこ出世もして機動隊の隊長をやっていると言う。ヘラ君の兄弟が自営業を始める時に数百万円ポンと出すような息子に甘い父親だ。 

 家庭内では母親の発言力が強いみたいだ。某宗教にドはまりしてたりとか、個別エピを聞くと思い込みが強いタイプだ。
 俺のことを「ヘラ君を連れまわす」加害者と思っている。

 もし俺が警察に被害を訴えたとして、もみ消されると思っている。退職金も減らされるかもしれない。身内に犯罪者が出たら警察署内ではどんな扱いになるのだろう。 ヘラママの証言を信じて俺が加害者であるかのように扱われてもおかしくない。

「1時間だけでもいいんで」
 集合15分解散15分、目的地に行くまで1時間、別の理由で1時間とどんどん無駄な時間は伸びていく。結局、半日潰してしまう。それが週末のたびに繰り返される。

 何度も何度も「俺にはやりたいことがあるんだ」と強く強く言っているのにわからない。わかっていてもわからない。

 メールも電話も大量にくる。当然精神にも来る。
 好みの女の子でもキツイぞ? 俺は異性愛者だ。同性にここまで依存されてもうれしいわけがない。
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