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家族の悲鳴編

家族側の悲鳴 1話

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 若年性認知症などは65歳以下で福祉制度が存分に使えないことがある。
 65歳までに受診して、場合によっては主治医の勧めで精神障がい者手帳を申請、障害年金受給もできるかと思う。
 本人の判断力があるうちに、介護予防サービスを受けておくと、介護サービスへの拒否感をなくせるだろう。
 我が家では2005年に症状が出始めて、予防サービスがつくられたのは2006年。これから介護を迎える方にはぜひ予防サービスから受けておいてほしいと思う。

 医療行政は、本人の意思に反することはできない。自傷他害などのラインを越えないと介入できない。
 大きい権限や裁量を現場に与えたら? 悪用されたときの、最悪を想定しないといけない。
 気に入らない人間を自由に認知症扱いし拘束して財産を奪うこともできるようになったら? やる、やらないに関わらず、悪用される前提で制度を作らないといけない。
 一つ解決すれば全てが解決するなんていう都合のいい世界ではない。


「病気の本人が一番辛い」
 この言葉をよく聞く。事実だろうか?

 これは認知症や精神障害など病識(本人が病気を自覚する)がない病気には当てはまらないんじゃなかろうか?
 初期の頃ならば本人も不安を持ち、辛いだろう。
 できたはずの事が出来なくなっていく。正確な判断をしたはずなのに周囲に責められる。本人は辛いだろう。だが中期以降ならばどうだろう?
 振り回される家族は本人が何かやらかすたびに代わりに頭を下げることになる。
 本人は善悪の区別などつかなくなっていく。本人は何の自覚もない。

 病気の本人が一番辛い? 違う、支えている家族、身近にいる周囲の人間が一番辛い。

 しっかりしてた身近な人が大便漏らしながら家じゅうを便だらけにする姿をみて辛くない家族はいるのか? 人格が壊れていくのだ。本人に自覚はない。

 では「病気の人を支えている家族を助けよう」という言葉を聞いたことあるだろうか?
 アスペルガー症候群の方の周囲にいる人々、家族や恋人が本人のために献身的に尽くしても一切愛情が返ってこなくて病んでしまうカサンドラ症候群というものもある。
 家族は徘徊を止められずに事故や事件がおこれば世間に責められる。精神障害のある家族が事件をおこせば、家族に責任を問う人もいる。事件や事故を起こしても本人が罪悪感どころか、事実の認識すら難しい場合もある。
 家庭内で被害があっても「身内のこと」通報して事件として、ニュースにまでなるのは一部。
 家族も十分苦しい立場なのだ。
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