実話！親ガチャ大失敗！夜逃げ中に生まれて捨てられ老夫婦に育てられた俺はワンオペ認知症介護で人生詰んでます！転生ざまぁはいつですか！

介護保険拒否編

「介護体験談」

　いかがだろう。
　これが介護サービスを拒否する場合の在宅介護の実態。やく８年間。
　ここまで悲惨な事例はおそらく皆さんご存じないのではなかろうか？
　なぜそうなるか。
　介護について不安に思っているのは介護をする家族だけではない。される側つまり高齢者側も不安に思っているのだ。
　高齢者が認知症に対する恐怖を煽られたら、病院に行くのを控えてしまう。もし自分が認知症だと診断されてしまったら？　病名が確定してしまうのが怖いのだ。

　だから市販の介護本はここまで悲惨な事例は載せないようにしているのだろう。介護者も被介護者も笑顔のまま終わるハッピーエンド。そういうものが好まれる。
　笑顔で介護。
　実際どうだろう？　認知症介護を体験したほぼ全ての人々は「笑顔なんて余裕はない」そう答えるだろう。

　介護体験としても、俺の人生としても、ここまででやっと半分書けた、といったところ。電子書籍版に収録したメモなど省略しても、この内容になる。

　俺は電子書籍でまず介護体験を売り出した。
　だがまったく売れなかった。トータルの印税は一か月に１００円もなかった。
　素人が書いた1000円以上の本なんて、誰も買おうと思わないもの。それは仕方がない。
　消費者側の心理は理解できる。
　では皆様、ここまで付き合ってくださった読者の方々。

　俺と同じ体験をして、その体験を安売りできますか？

　少なくとも俺は自身の体験を安売りしたくはなかった。
「もっと悲惨な目にあっている人は居る。甘えるな」
　というありがたいお説教も頂くかもしれないが、俺より介護歴少ない人でもたくさん本が売れてるじゃないか？　なぜ俺は報われない？　無料で読んでもらっても、広告収入なんて微々たるもの。収入は電子書籍以下だろう。
　なぜ？　どうして？

　問われても困るだろう。
　俺の悩みも少しは理解していただけただろうか？

　もっと自己アピールがうまければ違ってたのか？　セルフブランディングとやらがうまければ成功したのか。すべての介護者の代表面なんてしたくない。そこまで厚かましくはなれない。

　出版社の賞に出すにも、どのカテゴリーか迷う。
　命にかかわるケガや病気以外のほとんどの問題に該当する人生。

　世の悲惨な境遇の方々がどういうルートで出版社とコネクションができたのか、真剣にわからない。
　捨て子、介護がテーマで賞をもらった小説もあるらしいが、それは創作だ。売れてるらしい。
　俺のは実体験、なのに売れない。創作者も大変だろうが、実在する人間としては、正直嫉妬する。作り物に負ける人生。
　どうしたらいい？

　挑戦するにも時間がない。生活費も稼がなきゃいけない。

　別に出版されなくてもいい。せめて金にかえたい。このクソみたいな経験を金に換えたい。遅れた人生を取り戻せるならなんでもいいよ。
　はい、愚痴ここまで。

　ここからは、サービスを利用しても心身ともに追い詰められる在宅ワンオペ介護の話です。

　俺の場合、親戚などで協力してもらったのは母が入院してから。２０２１年になって、緊急連絡先が足りないので協力してもらった。
 　優しい叔父さんも、遠くに住んでいて年に二回ぐらい電話で愚痴を聞いてもらえた。母の世話を直接してたのは俺しかいない。
 
　市販の介護本では、ワンオペ介護といっても相談できる人が身近にいたり、緊急時に駆けつけてくれる理解者や協力者が数人いる事例が多い。俺は身近に理解者がいない状況だった。
　倒れたら一家全滅の危機になる。そんな孤独と不安の介護の実態を記したい。