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介護保険拒否編

在宅介護、介護保険拒否編 19話

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 この叔母は自信満々に「介護経験がある」とのたまうが2年にも満たない。その2年というのも、周囲の親戚、うちの母も含めて料理を作りに行ったり、色々手伝ってもらっている。
 祖父が倒れている時、その世話は元気だった祖母がほとんど見ていた。祖母は長期入院でそのままなくなった。介護期間中に「私は仕事ができた、お前は仕事をなめとる」などと言っているが、お前大した事何もやってないだろ?
 うちの母親が手伝いに行っていた記憶など頭の中から抜けているのは確認済み。恩知らずの厚かましい叔母だ。いや鬼だ。自己肯定感が突き抜け天までのぼった本物のクズだ。

 自己肯定感高めないとダメとかいう言説が世に広まりつつあるが、自己肯定感高い自信満々な奴は厚かましいだけの勘違いバカだと思っている。もしくはイタイ奴だ。
 厚かましい奴ほど出世も早く社会的影響力も高い。そもそも自信を持てるかどうかは、内心の自由だろ、ほっとけ。
 厚かましい連中が、仲間を増やしたいからとゾンビのごとく自己肯定感モンスターを増やして、住みにくい世の中になっていくと思うとぞっとする。……話を戻そう。

 鬼が我が家に直接乗り込んだのも数回。
 寝たきりになった後の母に対して「入院しろ」「施設に入れ」と大声で顔を近づけて20分間怒鳴り続けたこともあった。
 ちなみに金銭的負担が少ない特別養護老人ホームの予約は2013年時点で既にすんでいる。ただ順番待ちが100人先客がいるので施設に入ることはできていなかった。
 どれだけ説明しても「そんなんダメだ、そんなんダメだ、お前が悪い」しかかえってこない。制度や事情を説明しても「お前が悪い」
 寝たきりになってぐったりしている高齢者に向かって20分間、怒鳴り続ける、ということ。普通はできるだろうか?
 頭がおかしい、としか思えない。「やめてくれ」と何度頼んでも「私はこんな性格なんじゃ」と鬼の形相で怒鳴り返される。

 年上だから、叔母だからと四年耐えたが。皆さんはどれだけ耐えられるだろう?
「私だけが正しい」「正しい私の思い通りに動かない奴は馬鹿」
 自分と他人は違う生き物なのだ。他人は思い通りに動かないもの。社会は思い通りに動かないもの。制度は自分の都合よくできていないもの。当たり前の話なのだが、それが理解できていない。
 スーパーの中で「無職でどないすんな」と30分お説教をくらう惨めさをわかっていただけるだろうか? 会話にならず一方的な「正義」をぶつけられる。
 繰り返すが半日ほども介護を手伝ってもらったことはない。

2014年。さすがに追い出すことにするのだが。
「ここに土産もたんと来たことがない!」
 と自信満々に語る鬼。祖父の莫大な遺産をほとんど受け継いで、どれほど財布が痛むのだ? 俺はお前の見舞いに行ったが、お前の息子が母の見舞いに来たことあるか?
 厚かましい。
 介護保険後の世界で詳しく語ろう。
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