実話!親ガチャ大失敗!夜逃げ中に生まれて捨てられ老夫婦に育てられた俺はワンオペ認知症介護で人生詰んでます!転生ざまぁはいつですか!

他山小石

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少年期編 2話

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  高校は地元の進学校に行った。正直微妙なところだった。
「俺らより偏差値低い先生に教わりたくない」
  受験や偏差値というものにさほど重きを置いていなかった俺にとっては衝撃的な言葉だった。
 こんな奴らが高偏差値だからといって高学歴になって社会の中心を担っていくのか。 進学クラスでは道徳に相当する時間は数学の時間だった。
 受験とは何だろうか。進学とは何だろうか、大学を卒業してどの面で有利になるのか。育ての親は中学校までしか経験していない。
 周囲には参考になる大人もいなかった。
 今ならインターネットで高学歴な方々にも容易に繋がることができる。当時は世界が狭かった。
 高偏差値=嫌味なやつ、という図式が出来上がっていった。高校の授業をサボりつつ読書をする日々だった。

 馬鹿にしてくれても結構です。

 学歴、能力、貧富、それぞれ差があろうとも、いいやつも悪い奴もいる。当たり前の話だったが当時の私は全く気づいていなかった。
 赤点連発しながら、やる気など微塵もなかった。
 ただ、一つだけ危機感があった。
 福祉の勉強が必要になる。
 父も母も高齢になって倒れる回数は増えていった。弁当を自分で作るが未熟なので何度も遅刻した。このまま将来どうなるのだろう?

 特に母は頑固な性格だった。これから身体が弱ればどうなる? 素直に福祉サービス受けてくれるのか?
 最低限度の福祉の知識が必要になる。そんな予感があった。 

 とりあえず医療福祉系の専門学校を受験してみた。これは見事に落ちた。
 嫌味な奴がいたスリッパみたいな顔のスリッパ君でいいだろう。
「他山くーん、落ちたんだって?? 俺は受かってしもたー!!」
 わざわざ俺の前で得意げにアホ面を晒していた。後に教育実習で再開することになるのだが、すべて頭の中から消えていたのだろう。なれなれしく「他山く~ん」と声をかけてきた。殴りたくなる。こいつは頭が悪いままだった。やれやれ、である。
 スリッパ君のことはほんとにどうでもいい。

 この前後でガチ告白をされている。
 そう男からだ。男女ともにイケるヤツだった。
 そういう趣味があることは認めている。ただ俺は異性愛者だった。申し訳ないが、と断るしかなかった。
 これ以降、女性よりも男に求められる回数が増えていく。モテキというヤツだね。断っておくが、俺はイケメンではない。なぜか女性よりも圧倒的に男にモテるだけだ。

 受験の方はと言うと実家から離れた福祉大学に受かっていた。そこでみっちりと福祉の勉強をすることになる。行ってよかった。行かなければ一家全滅だった。 

 望まないモテ期到来であったが大学は楽しかった。
 やる気も戻った。さすがに病気がちの高齢の両親を残して一人暮らししてるんだから「ここで頑張らなきゃ人間のクズやぞ」という思いも芽生えていた。
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