運命の番は後天性Ω

ヒート編

アルファの心、オメガ知らず・・・？慧side

褒められたような、のろけられたような・・・

親のノロケを聞くのは、少々複雑な思いがするから、ここら辺で話題を変えておこう・・・


「快も、帰ってきてくれてありがとね。」


「もちろんだよ！今日を逃したら、慧兄ちゃんと１週間は会えなくなっちゃうからね。」


「たった１週間だよ？」


「「「たったじゃないよ！？」」」


父さん、快、凛がハモった。
たったって言ったけど、僕自身１週間も家を離れるのはさみしいな、とさっき部屋を見て思ったんだ。

家族も同じ気持ちだと知って、嬉しくないはずがないよね。
それと同時に、なんだかくすぐったくて、嬉しくて、笑みがこぼれた。


「・・・！！っふっ」


「俺たちの大事な大事な慧兄ちゃんがあ～・・・」


「慧にい・・・私たちは慧にいを大切に思っているし、慧にいが一番大好きなのは変わらないから！ちゃんと覚えておいてね！」


「凛・・・ありがとう。僕も大好きだよ。でも、凛も番ができたら、番が一番になっちゃうでしょ？ﾌﾌﾌ・・・仕方ないけど、なんだか寂しいなあ・・・」


「そんなことない！」


「家族で唯一のΩで、なりたてほやほやで、自分の番がいないから、言えるんだよぉ～」

ぷうっと口を膨らませると、またもやうめき声が聞こえる。

「慧くん、俺は一生慧くんがいちばんだからね！」

と一慶さんが言う。

「僕もですよ。ﾌﾌﾌ」

なんて笑い合っていたんだけど、まただんだんと辛くなってきた。


「一慶しゃん・・・」