運命の番は後天性Ω

yun.

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僕だけ分からない 慧side

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みんなは、ウンウンと頷いたりして、なんのことか分かっているようで、白熱した議論が繰り広げられているのだけれど、僕だけなんのことかさっぱり分からない。


自分のことなはずなのに、当の本人にはわからない話しって、どういうこと!?


「ほらほら!いったん落ち着いて!慧の顔を見てごらんなさいな。」


と母さんが言うと、一斉にバッとこちらに向く、家族と、一慶さん。


「「「「慧っ(くん)(兄ちゃん)(にい)」」」」

えっ、僕どんな顔してるんだろ。


「ああ、どうしたんだい?そんな顔をして。」


「え?どんな顔?」


「ほっぺたが、ふくれてるよ?」

一慶さんに言われて、ペタペタ自分の顔を触って、気づいた。


「すみません。」


「謝ることないよ。どうしてふくれてたの?」


「僕には理解できないお話しだったので・・・本人なはずなのに。」

おかしいな。
ちょっと仲間外れ感を感じたからってふくれるなんて・・・
僕、こんなに子供っぽいことしなかったはずなのに、最近はどうしちゃったんだろう・・・


「ああ、なるほど。慧くんのことなのに、慧くんの意見を聞いていなかったよね。慧くんだけ会話に入れなくて嫌だったんだね。ごめんね。」


「ん・・・いいです。許します。」


「ああ、そうだね。慧兄ちゃん。須藤さんのお父様たちの勤めてる会社って言ったら、須藤グループの本社だろ?従業員やら、業者やら、取引先がどれだけいると思ってる?」


「そうだね。社員数は5万人。本社に勤めてるのは約1000人。出入り業者までは把握してないけど・・・」


「ははは、さすが慧兄ちゃんだな。」


「ああ、びっくりしたよ。慧くん。」


「うん?好きな人の家族のことでしょ?普通じゃない?」


「慧くんっ」

一慶さんは、感動したように、瞳をうるわせているけど、何にそんな感動したんだろう?
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