運命の番は後天性Ω

yun.

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仕事の話しと、今後の話し

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「はい、ではその線で進めてみます。中村先生、お忙しい中いつもご協力して下さり、ありがとうございます。本当に助かってます。」


「なに、本来なら私がやりたかった研究を継いでくれて、進めてもらってるんだ。感謝してるよ。今なら余計に、研究者に戻りたいくらいだ。だが、私を求めてる有権者がいるからね。そう簡単ではないけど。気分は、すぐにでもそうしたいよ。」


そう言って、中村先生は慧くんを優し気な顔で見つめた。
少し照れたように、頬をかいた慧くん。


あれから、二人で庭園を散歩していたら、すぐに会食の時間になってしまった。
1時間はあったはずなのに、慧くんといると、ほんとにあっという間だった。



「私にお任せください。中村先生の意志を引き継いでますし、なにより私も当事者ですから。」


「うん、頼むよ。じゃあ、仕事の話しはこれでおしまい。次は、君らの今後のことを話そうか。」


そう言った中村先生の顔は、すでに恩師・政治家の顔は脱ぎ捨てており、私に厳しい顔を見せる威厳のある父親の顔をしていた。


「ゴクリ_はい。」

思わず唾を飲み込んでしまったのは、経験値の差だろうか_・・・
迫力が私とは段違いだった。


「まず、後ろの彼は須藤家のお付きの者といったところかな。」


「その通りです。」

私ですら、知らなかった紫苑の素性を見破っているとは・・・


「なら、同席してもいいか。ちなみに私の後ろにいる秘書も、我が家のお付きの者だから、同席させてもらうね。」


「はい。」


ここで、中村先生の視線に気づいた慧くんが、私の方にきた。
なるほど。
”私たちの話しをするから、移動してくれ”っていう視線だったのか。

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