運命の番は後天性Ω

yun.

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運命ってわかる?

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「私は慧くんが、”運命”だと気づいた。香りもライラックのいい香りが、感じられる。心臓もうるさいくらいに、高鳴っている。慧くんは、分かる・・・?」


「・・・・・はい、たぶん。先程も言いましたが、密室になって近づかれたときから、ジャスミンの香りがしていました。隣にいる今はもっとジャスミンのような香りが、感じられます。私の好きな落ち着く香り、のはずなんですが・・・ドキドキはしています。」



「そっか。気づいてくれたんだ。ヘヘっ、嬉しいな。ああ、柄にもなく、浮かれちゃったよ。」



「そうなんですか・・・?」



「・・・・・他の人に、そんな顔をして、見上げたらダメだよ?」

見上げられた慧くんが可愛くて可愛くて、ついついそう言ってしまった。

「え?」


「みんな惚れちゃうから。」


「私はβで、Ωのように小さくて可愛らしい顔をしているわけでも、αのように男らしくてかっこいい身体でも、顔でもないので、そのような心配はいらないかと。」



「それ、本心?本気で言ってる?」



「はい。」



「はあー、無自覚か。いいかい?よーく聞いてね。運命とか、私が惹かれているっていうことを抜きにしても、慧くんはカワイイっていうか、キレイな顔立ちをしているし、身長だってΩよりは高いけどαより低くて、スレンダーなのに程よく筋肉がついている。Ωがカワイイ系なら、慧くんはキレイ系だ。そういう人が好みの人だって、たくさんいるよ?慧くんはもっと危機意識を持とうね?」


そう言って慧くんのアゴに手をかけ、上を向かせると、顔をズイっと近づけた。
キスする寸前で止まる。


「ほら、ね?抵抗しないと。私は本気だよ?」


そう言うと、顔を赤らめながら、私の胸を押してくる。


「可愛い。ささやかな抵抗にしか感じない。そんな抵抗じゃ、喜んでいるのかな?って思っちゃうよ?」


ぐうう・・・と唇をかみしめている慧くん。
本当に可愛い。けどあまりやって、嫌われたらいやだからね。
今日は引こう。パっと離れると、少し残念そうな表情と、ほっとした安堵の表情、交互に顔に表れている。
でも、私か家族、親しい人間じゃないと、この表情の変化は気づないだろうな。


「今日は、やめとくね。嫌われたくないからね。でも、代わりにケータイの番号と、ラインは教えてね。」

とニッコリ笑った。



───────────

10月11日 19:15 編集

慧くんの魅力を伝えているところを少し変えました。
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