【完結】前世の不幸は神様のミスでした？異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

86

「だから、ノア様は冒険者に？」


ムンさんも気づいたようだ。


「はい。」


「お貴族様のことは、よく分からんな。」

ガイさんは、冒険者からおじい様にスカウトされたんだっけ。


「フフっ、ガイさんはそのままでおねがいします。」


「まあ、要するに私欲のために働け、領土広げろって中央のやつらが、吹っかけてくるかもしれないんだ。しかも、それが目上のやつらだと、貴族は断れない。だから、坊主は冒険者として独り立ちして、リートルテ辺境伯家から抜けたいんだ。まあ、要は平民になりたいってことだな。」


「その通りです。時間がかかれば、かかるほど、その可能性は高くなる。」


「まあまあ、そう焦るなって。目安が１０歳なら大丈夫だろう。さすがに、子供を国として矢面に立たせたら、国力が落ちているのかと他国に勘繰られる。そんな馬鹿な真似はしないだろうよ。」


「うらから手を回すかも。」


「うーん、ないわけじゃないだろうけどよ。そんときは、ルートルテ辺境伯家だって、お前さんたちを支持するぞ？」


「戦力としてではなくても、この秀才ぶりなんだ。中枢にほしいと思うやつはいるだろうよ。そうなると、逆に平民だと守れない。」

と父上まで、話しに参加してきた。


「ああ、それは確かに。本当に５歳か？」


「ノアは神童なんですよ。」

兄上まで・・・


「だろうな。じゃなきゃ、５歳でこんな会話できない。」


「だからこそ、冒険者でAランク以上になるのを目標にしています。」


「「「なるほど。」」」

そう。Aランク以上は、冒険者ギルドに保護されている。
意に反して国に縛られることはない。
その代り、指名依頼などがあるのだ。
ただ、手っ取り早く保護を受けるには、冒険者Aランク以上か神殿に所属すること。
ただ、神殿は神殿で、国との協力関係も不可欠だからな。


「せっかく強くなれたのです。守りたいじゃないですか。平民も、他国の方も。僕には、冒険者がピッタリなんです。」


「尊い・・・」

そんなつぶやきは、どこから聞こえたのだろうか・・・