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沈黙、静寂が部屋をつつむ。
その沈黙をやぶったのは、ノアだった。


「僕は冒険者になります。」


「「「「(は!?)え!?」」」」

お~見事に家族全員ハモッたな!
そんなに以外かな?


「騎士じゃなくて・・・?」


「はい、冒険者です。」


「ノア、本気・・・?」


「本気ですよ?」


「なんでかしら?」


おうおう。皆々様、落ち着きたまえ~
家族みんなが矢継ぎ早に話す。

執事もメイドも目を見開き、固まった。
イーマスのこんな姿はレアだ~


「自由に冒険できるし、人の役にたてるからですよ。」


「それなら、騎士でもいいんじゃ?」


「兄上は、騎士にとても良い印象を抱いてるのですね。」


「それは、そうだろう。辺境伯にいるんだ。たくさん世話になってる。」


「そうですね。ただ・・・冒険者にも、お世話になっていますよね?」


「それは・・・そうなんだが。」


「冒険者には、兄上も、他のお貴族様も、辺境伯の僕の家族でさえ、いい印象がないようですね。ですが、冒険者がいるから、守られている土地がある。それが事実ですよね?」


「確かにそうだ。私は、冒険者だからと言って、ひとくくりにしていることはないよ。知り合いもいることだしな。」


「そうですか。それは、父上がそう思ってくれていて、良かったです。では、よく考えてください。騎士の雇用主は誰ですか?」


「我が領なら、辺境伯だろ?」

お兄様はまだ僕の言いたいことが分からないようだ。


「いや、確かにそうだが、元をたどれば国だ。」

とお父様。さすが、お父様だ。僕の言いたいことが分かっているようだ!


「その通りです。国が戦争をすると言えば、駆り出される。それが騎士です。」


そこまで言うと、お兄様もハッとしたようだ。


「そうか・・・そういうことか。」


「はい、そういうことです。」


「え!?なになに?分からないんだけど!」

とお姉さまはまだ分かっていないようだった。

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