4 / 171
4
しおりを挟む
時は流れて午後・・・
僕はダンテ・リアム・トーマス・イーマスに囲まれ、テストを受けている。
こんな間近で見られながら受けるテストは、とても気まずい・・・
「終わりましたよ。」
「「は?」」
「え?いや、だから解き終わりました。」
「いやいやいや!早くないか?まだ始めてから5分だぞ?」
「そう言われましても・・・」
「ええ、だから天才だと申したじゃないですか。」
「と、とりあえず正解か確認しよう。半分リアムがやってくれ。」
「っわかりました。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
沈黙が流れる。
あードキドキするなあ。
「父上、終わりました。」
「リアムも終わったか。で、どうだ?」
「はい、全部正解です。」
「そっちもか。こっちも全て正解だ。しかし・・・信じられん。」
「ええ、本当に。100問ある問題を5分で解くほどとは・・・」
「ああ。ほとんど考えていないだろう。答えが分かっていたようだ。まさか、事前に知っていたということは?」
「ダンテ様。お言葉ながら、このテストは昨晩トーマスと作成し、先程まで私の部屋の鍵のついた引き出しにしまっておりました。それは、不可能かと。」
「ああ・・・だろうな。だが、これはトーマスが学院で習っているレベルの問題だぞ。」
「え?我が国の教育レベルは、こんなものなのですか?」
歴史は別として、算術なんかは、小3レベルだったけど・・・
「こんなもの・・・」
「ちなみに、これはどう解いた?」
「ああ、それは暗記ですよ。」
「算術が暗記?」
「はい。たとえば・・・」
この問題、5+5+5+5+5という問題は5を5つ足すということですよね。
この式を新しい式にします。5×5=25というように暗記しています。
×は、5を5つ足すという意味です。
と、掛け算の解説をした。
「うん、理解したような分からないような・・・必ずこの数字になるんだね?不思議だな・・・で、歴史はどう解いたの?」
「歴史ですか?歴史は解くというより、暗記ですよね?兄様。覚えていれば、答えはすぐ出てきますよ。それに、算術と違って、答えも1つですし。」
「ああ、そうだね・・・」
「トーマス。疑っていたわけではないんだが、信じられない気持ちだった。悪かった。確かに、ノアは天才のようだ。」
「父上、次期当主、変更しましょう・・・」
「えっ!?兄様、おやめください!私は自由に生きたいんです。当主にはなりませんよ!」
「ハハハ・・・父上の決定がすべてだよ。」
むっとして
「では、父上。僕を当主としたなら、すぐ出ていきますので!」
と言ってみた。
「ノア・・・表情は子供なのに、言っていることは大人顔負けだな。リアム、次期辺境伯はお前だ。」
言質を取り、ニヤっと笑う僕だった。
僕はダンテ・リアム・トーマス・イーマスに囲まれ、テストを受けている。
こんな間近で見られながら受けるテストは、とても気まずい・・・
「終わりましたよ。」
「「は?」」
「え?いや、だから解き終わりました。」
「いやいやいや!早くないか?まだ始めてから5分だぞ?」
「そう言われましても・・・」
「ええ、だから天才だと申したじゃないですか。」
「と、とりあえず正解か確認しよう。半分リアムがやってくれ。」
「っわかりました。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
沈黙が流れる。
あードキドキするなあ。
「父上、終わりました。」
「リアムも終わったか。で、どうだ?」
「はい、全部正解です。」
「そっちもか。こっちも全て正解だ。しかし・・・信じられん。」
「ええ、本当に。100問ある問題を5分で解くほどとは・・・」
「ああ。ほとんど考えていないだろう。答えが分かっていたようだ。まさか、事前に知っていたということは?」
「ダンテ様。お言葉ながら、このテストは昨晩トーマスと作成し、先程まで私の部屋の鍵のついた引き出しにしまっておりました。それは、不可能かと。」
「ああ・・・だろうな。だが、これはトーマスが学院で習っているレベルの問題だぞ。」
「え?我が国の教育レベルは、こんなものなのですか?」
歴史は別として、算術なんかは、小3レベルだったけど・・・
「こんなもの・・・」
「ちなみに、これはどう解いた?」
「ああ、それは暗記ですよ。」
「算術が暗記?」
「はい。たとえば・・・」
この問題、5+5+5+5+5という問題は5を5つ足すということですよね。
この式を新しい式にします。5×5=25というように暗記しています。
×は、5を5つ足すという意味です。
と、掛け算の解説をした。
「うん、理解したような分からないような・・・必ずこの数字になるんだね?不思議だな・・・で、歴史はどう解いたの?」
「歴史ですか?歴史は解くというより、暗記ですよね?兄様。覚えていれば、答えはすぐ出てきますよ。それに、算術と違って、答えも1つですし。」
「ああ、そうだね・・・」
「トーマス。疑っていたわけではないんだが、信じられない気持ちだった。悪かった。確かに、ノアは天才のようだ。」
「父上、次期当主、変更しましょう・・・」
「えっ!?兄様、おやめください!私は自由に生きたいんです。当主にはなりませんよ!」
「ハハハ・・・父上の決定がすべてだよ。」
むっとして
「では、父上。僕を当主としたなら、すぐ出ていきますので!」
と言ってみた。
「ノア・・・表情は子供なのに、言っていることは大人顔負けだな。リアム、次期辺境伯はお前だ。」
言質を取り、ニヤっと笑う僕だった。
201
お気に入りに追加
1,856
あなたにおすすめの小説
転生先ではゆっくりと生きたい
ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。
事故で死んだ明彦が出会ったのは……
転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた
小説家になろうでも連載中です。
なろうの方が話数が多いです。
https://ncode.syosetu.com/n8964gh/
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)
称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~
しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」
病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?!
女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。
そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!?
そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?!
しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。
異世界転生の王道を行く最強無双劇!!!
ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!!
小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
【完結】僕は今、異世界の無人島で生活しています。
コル
ファンタジー
大学生の藤代 良太。
彼は大学に行こうと家から出た瞬間、謎の光に包まれ、女神が居る場所へと転移していた。
そして、その女神から異世界を救ってほしいと頼まれる。
異世界物が好きな良太は二つ返事で承諾し、異世界へと転送された。
ところが、女神に転送された場所はなんと異世界の無人島だった。
その事実に絶望した良太だったが、異世界の無人島を生き抜く為に日ごろからネットで見ているサバイバル系の動画の内容を思い出しながら生活を開始する。
果たして良太は、この異世界の無人島を無事に過ごし脱出する事が出来るのか!?
※この作品は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さん、「ノベルアップ+」さん、「ノベリズム」さんとのマルチ投稿です。
異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい
ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。
強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。
ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。
悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!
えながゆうき
ファンタジー
妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!
剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる