発展科学の異端者 学生編

ユウ

文字の大きさ
上 下
1 / 10
天才?天災?科学魔法師現る

1.科学魔法師の家に生まれた天災

しおりを挟む
 世界は、戦闘で満ちていた。科学武装師になれば、大金を得ることだって可能だ。

 人は、市民の安全よりも、自身のお金にこだわっていた。

 お金があれば、車を買える。

 お金があれば、家を買える。

 お金があれば、食べるものを買える。

 お金があれば、女が買える。逆もしかりだ。

 それだけ、この世界を生き抜くにはお金が必要だった。

 この世界はお金のために、科学武装師になろうとしている人間は多かった。だがその試験は、かなり狭きものでもあった。その理由は、科学武装学園の存在だった。科学武装は使い方を間違えれば、使用者を死に追いやる武器でもあるし、テロに使われたら、とんでもない被害を生み出すこともある最悪な武器だ。

 それを扱うことのできる人には、レベルと呼ばれるものが存在する。レベルは全8段階存在していて、基本的には0から6までに割り振られる。ただ、一部例外も存在している。それはレベル7と呼ばれるものたちだ。レベル7は、パーティを組まなくて単独行動をしてもモンスターに勝てる科学武装師や、一人で都市を陥落することのできる科学武装師を指している。なので、レベル7は七星教会というものに入ることになっている。このレベル7は基本的に表舞台には、しばらく出てきていなかった。

 そして今あるこの学園にも、多くの学生がやってきていた。

 そのうちの一人、城ケ崎零の話だ。

 ここでは零について少し話しておこうと思う。

 彼が生まれたのは、城ケ崎の次男に生まれた。彼は、3人目の子供だった。

 零には、5つ離れた兄である。城ケ崎旬2つ離れた姉、城ケ崎澪がいた。

 兄は、16歳の時にレベル4になり、学園を卒業することには、レベル6候補のレベル5になっていた。

 姉は、16歳の時にレベル3で入学し、18歳の現在レベル5になっていた。ちなみに姉が通っている学校は、ルーア国ではない外部の学校に通っている。理由はシンプルだ。澪は、零のことが好きすぎる重度のブラコンだったからだ。それを見かねた父に、国外の学校に通わされている。姉は最後まで抵抗をしていたが……。

 そして僕、零はレベル4の実力を持っているが、戦闘が嫌いなのでレベル2で入学した。

 戦闘が嫌いというよりも、戦うことが面倒だからだ。強ければ力を示す必要がある。それが嫌いなのだ。

 零は、正直なところ学園にも行きたくはなかったのだが、行かなければならない出来事が起きた。学園に行くかお見合いをするのかの2択だったからだ。

 正直お見合いでもいいかなと最初は思っていた。だが出てきたお見合い相手は40代後半の女性たちだったんだぜ。信じられるか?それで、僕は見合いをしたく無いから学園に逃げてきたってわけだ。学園に入学するからって言って、女性の従者が付てきたんだぜ。信じられるか……。

 ちなみにその女性の名前は三上 彩花みかみ あやかで、年は同じ。ちなみにレベル3の実力者。学園のクラスはAクラス。零はDクラス。

 さて、少しは学園のことを説明しようかな。

 この学園は科学武装学園ルーア国校世界に7校しかない科学武装学園の一校だ。一クラス40名で構成されており、入学時点でクラス分けされる。ちなみにA~Dクラスまであり、Aクラスのメンバーには、レベルとは別に印と呼ばれるものが与えられる。印は簡潔に説明すれば、実力者の証みたいなものだ。印があるものは、金、遊び、住む場所、仕事が、ある程度は融通が利くようになる。なので皆は印を求め、Aクラスを目指すというわけだ。

 まあ、Dクラスは落ちこぼれに近い存在なので関係はないが……。

 また、印を獲得するにはもう一つ方法がある。それは、戦いで力を示すこと。その結果、この学園では、卒業率4割と狭き門になっている。力の無き者には退学か、死の二択が待っている。これは、命を懸けた戦いを僕たちはすることになる。

 これは、学園に通う一人の男が堕落していくの物語








 それは、この現代医療技術でも治療することのできない、重症な傷だった。

 その場に居た零は、瞳に映る、その光景を信じることができなかった。

『うああああああああああ』
『れ……い……さま……』
『喋るな、それ以上喋るな』
『ああ……。とても……寒いです……』

 零は、その子を抱きしめる。零の頬を涙が流れていく。

 これは、僕が招いた惨劇だ。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

発展科学の異端者

ユウ
ファンタジー
 世界は、科学の発展した新科学時代。ある時科学者たちは、見つけてはいけない神秘の産物を発見する。それは、この世界と他の世界をつなぐものだった。研究者はこれを応用すれば、様々なことができると考え、研究に取り組む。だがそれが世界に悲劇を齎すこととなる。  この世界の生物ではない、化け物(モンスター)がこの世界に現れるようになる。その結果、何か国かは滅びる道を進んだ。だが人類は、驚くべきスピードで対抗手段を見つける。それは『科学武装』と呼ばれるものだった。それは、科学魔法と呼ばれるものと科学武装と呼ばれるものだった。  まず科学魔法は、科学に基づき、火・水・雷・土・風を発動できるものだ。そのためには、かなりの練習と適性が必要である。逆に科学武装は、適正よりも、鍛錬の方が大事である。人にあった武器を練習する必要があり、それを習得できたものは、魔物狩りが許される。その姿を皆は『科学武装師』と呼ぶ。  これは新科学時代の、ルーア国に生まれた天災科学武装師、城ケ崎(じょうがさき)零(れい)の物語 更新予定は、基本的に土曜日、日曜日の18時頃を予定してます。 たまに、平日も投稿するかもです

元世界最強の人間と行く地獄のワールドツアー

ユウ
ファンタジー
 世界を守るため、多くの資産家・貴族が動き長年の戦争が終結した。しかし、失ったものは資産だけではなかった。世界のほとんどが新しい世界を進みゆく中、アーティと呼ばれる20代の天才講師(先生)は過去の栄光を求める研究者だった。過去の栄光とは、古代の残した、古代機器を初め古代魔法、古代技術、全てを求め続けた。これは、一人の男性である、アーティの物語 補足  初めて読む方は、『全ての結末』をスルーして次の章『名もない不思議な街』から読むか、『全ての結末』のタイトルに各章の名前を書いているので、それを読んでいただけば、最低限の内容はまとめています。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

性癖の館

正妻キドリ
ファンタジー
高校生の姉『美桜』と、小学生の妹『沙羅』は性癖の館へと迷い込んだ。そこは、ありとあらゆる性癖を持った者達が集う、変態達の集会所であった。露出狂、SMの女王様と奴隷、ケモナー、ネクロフィリア、ヴォラレフィリア…。色々な変態達が襲ってくるこの館から、姉妹は無事脱出できるのか!?

虹色の子~大魔境で見つけた少年~

an
ファンタジー
ここではない、どこかの世界の話。 この世界は、《砡》と呼ばれる、四つの美しい宝石の力で支えられている。人々はその砡の恩恵をその身に宿して産まれてくる。たとえば、すり傷を癒す力であったり、水を凍らせたり、釜戸に火をつけたり。生活に役立つ程度の恩恵が殆どであるが、中には、恩恵が強すぎて異端となる者も少なからずいた。 世界は、砡の恩恵を強く受けた人間を保護し、力を制御する訓練をする機関を立ち上げた。 機関は、世界中を飛び回り、砡の力を扱いきれず、暴走してしまう人々を保護し、制御訓練を施すことを仕事としている。そんな彼らに、情報が入る。 大魔境に、聖砡の反応あり。 聖砡。 恩恵以上に、脅威となるであろうその力。それはすなわち、世界を支える力の根元が「もう1つある」こと。見つければ、世紀の大発見だ。機関は情報を秘密裏に手に入れるべく、大魔境に職員を向かわせた。

エロ・ファンタジー

フルーツパフェ
大衆娯楽
 物事は上手くいかない。  それは異世界でも同じこと。  夢と好奇心に溢れる異世界の少女達は、恥辱に塗れた現実を味わうことになる。

[恥辱]りみの強制おむつ生活

rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。 保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。

処理中です...