74 / 90
5章
72.ノール連邦武闘派神山派
しおりを挟む
この国は腐っている。王が、世界を支配するこの国は科学武装師が世界を支配していた。
科学武装師は、世界から見ても英雄に近い存在であり、モンスターが現れたら科学武装師が討伐する。討伐できなければ、科学武装師が馬鹿にされる。いわゆる、便利屋に近い存在になりかけていた。だが、この国だけは違った。
科学武装師が、大切な市民に武力という力を見せつけた。それからこの国は最悪な方へと転がり始める。
それから時が経ち、この国は2つの武闘派に分かれた。武闘派神山派と武闘派ピアー派。これから世界は大きく動く。その答えは単純だった。
ノール連邦がグラジア大国に宣戦布告をしたからだ。しかも、魔物との戦争の直後のことだった。
「龍気様」
「……。なんだ」
龍気と呼ばれた男は、武闘派神山派の神山龍気だ。神山は、タオルを頭からかぶって汗を拭く。
「後1時間ほどで、グラジア大国に到着します」
「そうか……」
神山は、少しだけ考える。これから行うことは、世界犯罪になることだ。だが、これを行うことには大きな意味がある。
「これから命令することは、失敗したら死だ。それでも付いてくるだろう」
「はい」
「なら、命令だ。グラジア大国北側は、モンスターブレイクにより、立ち入り禁止エリアになっている。まずそこを叩く」
「……なるほど。そう動きますか」
モンスターブレイク。それは、ゲートから現れたモンスターの集団を封じ込めることができなかったことで、モンスターが群れを起こしている。通常であれば、再度科学武装師を募り討伐に当たるが、グラジア大国が選んだ道は、モンスターの隔離だった。
「モンスターブレイクの討伐で、侵略戦争のきっかけとするということだな」
「そうだ。まずは拠点が必要だ。だとすれば、国が捨てた土地を狙う」
「ですが、そこは森林エリアでしたよね。作戦はどうしますか。焼き払います?」
「勘弁しろ。マルロク。そんなことをしたら、言い訳が立たんだろ。第一拠点として、森林は好都合だ。そこは壊さず、叩き落す」
「では、どうするんですか」
「決まっているだろ。俺が行く。邪魔はするな」
神山はニヤリと笑いながら、剣を取る。
「さあ。楽しませてもらおうか。俺の気分がかなりいい」
船の外に、神山は出る。そして海風を浴びながら、集中力を高めていく。
「じゃあ。先に行く。ここは任せるぞ」
神山は小型ボートに乗り込み、森林エリアへ向かう。
「さあ。俺はもう負けない」
それから、1時間後
「ふぅぅぅ」
「龍気様」
「遅かったな。一応ここら辺一帯のモンスターは狩っておいた。さああ、作戦会議と行こうか」
「かしこまりました」
神山は服についた血を見ながら、考え事をする。
「この程度のモンスターなら、国家で挑めば勝てたろうに……。グラジア大国の戦力も底が知れるな」
神山は空を眺めながら、今後の作戦を考え続ける。ノール連邦からの指示はグラジア大国のトップの抹殺。
「さて、こんな仕事が来るなんて、なんて嬉しいことだろうな」
神山はこの戦いを楽しむつもりだ。この戦いが、世界を大きく巻き込むことを誰も知らなかった。
科学武装師は、世界から見ても英雄に近い存在であり、モンスターが現れたら科学武装師が討伐する。討伐できなければ、科学武装師が馬鹿にされる。いわゆる、便利屋に近い存在になりかけていた。だが、この国だけは違った。
科学武装師が、大切な市民に武力という力を見せつけた。それからこの国は最悪な方へと転がり始める。
それから時が経ち、この国は2つの武闘派に分かれた。武闘派神山派と武闘派ピアー派。これから世界は大きく動く。その答えは単純だった。
ノール連邦がグラジア大国に宣戦布告をしたからだ。しかも、魔物との戦争の直後のことだった。
「龍気様」
「……。なんだ」
龍気と呼ばれた男は、武闘派神山派の神山龍気だ。神山は、タオルを頭からかぶって汗を拭く。
「後1時間ほどで、グラジア大国に到着します」
「そうか……」
神山は、少しだけ考える。これから行うことは、世界犯罪になることだ。だが、これを行うことには大きな意味がある。
「これから命令することは、失敗したら死だ。それでも付いてくるだろう」
「はい」
「なら、命令だ。グラジア大国北側は、モンスターブレイクにより、立ち入り禁止エリアになっている。まずそこを叩く」
「……なるほど。そう動きますか」
モンスターブレイク。それは、ゲートから現れたモンスターの集団を封じ込めることができなかったことで、モンスターが群れを起こしている。通常であれば、再度科学武装師を募り討伐に当たるが、グラジア大国が選んだ道は、モンスターの隔離だった。
「モンスターブレイクの討伐で、侵略戦争のきっかけとするということだな」
「そうだ。まずは拠点が必要だ。だとすれば、国が捨てた土地を狙う」
「ですが、そこは森林エリアでしたよね。作戦はどうしますか。焼き払います?」
「勘弁しろ。マルロク。そんなことをしたら、言い訳が立たんだろ。第一拠点として、森林は好都合だ。そこは壊さず、叩き落す」
「では、どうするんですか」
「決まっているだろ。俺が行く。邪魔はするな」
神山はニヤリと笑いながら、剣を取る。
「さあ。楽しませてもらおうか。俺の気分がかなりいい」
船の外に、神山は出る。そして海風を浴びながら、集中力を高めていく。
「じゃあ。先に行く。ここは任せるぞ」
神山は小型ボートに乗り込み、森林エリアへ向かう。
「さあ。俺はもう負けない」
それから、1時間後
「ふぅぅぅ」
「龍気様」
「遅かったな。一応ここら辺一帯のモンスターは狩っておいた。さああ、作戦会議と行こうか」
「かしこまりました」
神山は服についた血を見ながら、考え事をする。
「この程度のモンスターなら、国家で挑めば勝てたろうに……。グラジア大国の戦力も底が知れるな」
神山は空を眺めながら、今後の作戦を考え続ける。ノール連邦からの指示はグラジア大国のトップの抹殺。
「さて、こんな仕事が来るなんて、なんて嬉しいことだろうな」
神山はこの戦いを楽しむつもりだ。この戦いが、世界を大きく巻き込むことを誰も知らなかった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる